土壌地下水汚染の基準

農用地の土壌汚染の基準

農用地の土壌の汚染防止等に関する法律に係る土壌汚染の基準

 

土壌汚染調査や環境デューデリジェンス調査を実施する際に考慮すべき、主な調査項目は以下のとおりです。

 

 

 

土壌汚染対策法で定められている特定有害物質はもちろんのこと、農用地の土壌汚染に係る物質も重要な物質の一つです。

ただし、私の経験上、一般的な土壌汚染調査や環境デューデリジェンスで農用地の土壌の汚染防止等に関する法律に係る土壌汚染の基準値を用いて評価するケースは、限りなく少ないです。

 

しかし、一方で土壌汚染調査技術管理者試験にも出題されることから知識として有していても損はありません。

むしろ、本格的に土壌汚染調査や環境デューデリジェンスで評価指標として適用することがあるかもしれません。

 

 

農用地の土壌の汚染防止等に関する法律に基づく対象物質(3物質)の土壌汚染の基準は以下のとおりです。

 

カドミウム及びその化合物

その地域内の農用地において生産される米に含まれるカドミウムの量が米1キログラムにつき0.4ミリグラムを超えると認められる地域であること。

その地域内の農用地の土壌に含まれるカドミウムの量が前号の地域内の農用地の土壌に含まれるカドミウムの量と同程度以上であること。

銅及びその化合物

その地域内の農用地(田に限る。)の土壌に含まれる銅の量が土壌1キログラムにつき125ミリグラム以上であると認められる地域であること。

砒素及びその化合物

その地域内の農用地(田に限る。)の土壌に含まれる砒素の量が土壌1キログラムにつき15ミリグラム(その地域の自然的条件に特別の事情があり、この値によることが当該地域内の農用地における農作物の生育の阻害を防止するため適当でないと認められる場合には、都道府県知事が土壌1キログラムにつき10ミリグラム以上20ミリグラム以下の範囲内で定める別の値)以上であると認められる地域であること。

 

あなたも既にご存知だと思いますが、上述の基準は農用地に限定されています。

 

農用地の土壌の汚染防止等に関する法律に関する詳細を以下に記述しています。

 

 

農用地の土壌の汚染防止等に関する法律

 

農用地の土壌の汚染防止等に関する法律は、農用地の土壌の特定有害物質による汚染の防止及び除去並びにその汚染に係る農用地の利用の合理化を図るために必要な措置を講ずることにより、人の健康をそこなうおそれがある農畜産物が生産され、又は農作物等の生育が阻害されることを防止し、もつて国民の健康の保護及び生活環境の保全に資することを目的としています。

 

「農用地」とは、耕作の目的又は主として家畜の放牧の目的若しくは養畜の業務のための採草の目的に供される土地です。

「農作物等」とは、農作物及び農作物以外の飼料用植物です。

 

土壌汚染対策法や環境基本法の環境基準が存在することから、一見、今の時代に関係がない法律なのでは?という考え方もあります。

 

しかし、一方で環境省は、農用地の土壌の汚染防止等に関する法律に基づき、農林水産省とともに農用地の土壌汚染対策を進めています。

 

環境省が公表している平成30年度農用地土壌汚染防止法の施行状況は以下のとおりです。

 

🔶 常時監視の結果、農用地土壌汚染対策地域の指定要件基準値を超過したカドミウム3地域で検出されました。

 

🔶 新たに農用地土壌汚染対策地域に指定された地域、農用地土壌汚染対策計画が策定された地域及び同地域の指定から全部解除された地域はなく、2地域部分解除されました。

平成30年度末までに農用地土壌汚染対策地域として指定された地域は累計で73地域、うち既に指定解除された地域は57地域、現在も農用地土壌汚染対策地域として指定されている地域は16地域(部分解除された地域を含む。)となっています。

 

🔶 群馬県碓氷川流域地域で、農用地土壌汚染対策計画が変更されました。

 

🔶 平成30年度末時点の農用地土壌汚染対策事業等完了面積は7,111 haであり、指定要件基準値を超過した、又は超過するおそれが著しい地域の面積の93.7%で農用地土壌汚染対策事業等を完了しています。

 

誰かがどこかで人への健康被害を防止するために尽力しているということですね。

私もこの記事を書きながら、そんな人々になれれば良いなと思います。

 

詳細は以下の環境省のサイトを参照下さい。

平成30年度農用地土壌汚染防止法の施行状況について

 

 

最後まで読んで頂きありがとうございました!

こんな記事もおすすめ