土壌汚染対策法の土壌ガス調査に関する測定値
まず、重要なことを記載します。
土壌汚染対策法において、土壌ガスの基準は存在しません。
当該記事ではインターネット検索上、「土壌ガス調査に関する基準」というワードを使用しておりますが、ご了承願います。
土壌ガス調査の測定値に関して、土壌汚染対策法の土壌汚染ガイドラインでは以下のとおり記載されています。
土壌ガスに含まれる試料採取等対象物質の濃度の定量が可能であり、かつ、定量下限値が0.1 volppm 以下(ベンゼンにあっては 0.05 volppm 以下)である方法を用いる。
この上述した土壌ガス分析の定量下限値(検出下限値)が一般的に土壌ガス調査の測定結果に対する判断数値として扱われています。
つまり、土壌ガス調査の結果、分析値が定量下限界値を超過するのであれば、土壌掘削ボーリング調査において土壌試料を採取し、土壌溶出量基準と比較後、汚染の有無を判断する必要があるということです。
もう一点、重要な情報として土壌ガス調査は第1種特定有害物質(揮発性有機化合物)のみに適用されます。
第1種特定有害物質の各定量下限値は以下のとおりです。
複数の異性体が存在する 1,2-ジクロロエチレン及び 1,3-ジクロロプロペンの土壌ガス調査の測定結果の取り扱いには注意が必要です。
土壌汚染対策法のガイドラインには以下の記載があります。
シス体とトランス体が両方とも定量下限値以上の場合についても、分析結果を示す際、シス体及びトランス体の測定値を有効数字を2桁として、3桁目以降を切り捨てたものを併記することとする。
桁数処理
有効数字を2桁として、3桁目以降を切り捨てることとする。
報告値
① シス体とトランス体の測定値が両方とも定量下限値以上の場合は、シス体とトランス体の測定値の和を 1,2-ジクロロプロペンの測定値とし、桁数処理を行ったものを報告値とする。
②シス体、トランス体の測定値のいずれか一方が定量下限値以上で、いずれか一方が定量下限値未満の場合は、測定結果を以下のとおり示すこととする。
ⅰ)定量下限値以上の方については、測定値について桁数処理を行ったものを報告値として表示する。
ⅱ)定量下限値未満の方については、報告値は「定量下限値未満」と表示する。
ⅲ)1,2-ジクロロエチレンについては、定量下限値以上の方の測定値について桁数処理を行ったものを報告値として表示する。
1,3-ジクロロプロペンについても同様の扱いとする。
③シス体とトランス体が両方とも定量下限値未満の場合は「定量下限値未満」と表示する。
土壌ガス調査の詳細に関しては、以下の記事を参照下さい。
調査箇所の選定等に関しては記載されていませんが、その他の事項は全て記載されています。
土壌ガス調査に係る採取及び測定の方法(Appendix-5)の解読
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