こんなことを書いてます
令和元年度 環境省 土壌汚染調査技術管理者試験の過去問の解答に挑戦 (その3)
さて、この記事では問題11~15を解いていきます。
前回の記事でも書いていますが、色々な問題に関して、解き方や問題に対するアプローチの方法は人それぞれです。
□+□=10の答えに5+5=10があり、9+1=10があるのと同じです。
つまり、私は答えを導き出す過程は多種多様で良いと考えています。
この記事の中の問題に対する私の答えも他の方とアプローチが異なっている可能性があります。仮に私と読者の方の考え方が異なっていても、最終的には回答が正解であれば問題ないと思います。
あと、私の個人的な見解と知識で解いていきますので、答えや答えを導く過程が間違っていたらすいません。仮に間違っていたとしても、私は責任を取りませんのでご了承下さい。
この記事は、あくまでも M&A 環境デューデリジェンス(環境DD)や土壌汚染調査の基礎的な知識を習得するための勉強です。
さらに問題に対して私の知識が足りていない場合は、知り合いの環境コンサルタントに少しヒントをもらって問題を解くようにしています。
では、問題11からです。いざ、合格率 約6%の狭き門への挑戦です。
前回の問題6~10に関しては、以下の記事を参照下さい。
過去問題 令和元年度 土壌汚染調査技術管理者試験 問題 11
問題 11 法の土壌汚染状況調査における単位区画の統合に関する次のA~Eの記述のうち、正誤の組み合わせとして正しいものはどれか。
A B C D E
⑴ 誤 正 誤 誤 正
⑵ 誤 誤 正 誤 正
⑶ 誤 正 誤 正 正
⑷ 正 誤 正 誤 誤
⑸ 正 誤 誤 正 誤
土壌汚染対策法の土壌汚染調査ガイドラインでの記載内容を調べてみると、単位区画の統合にはいくつかのルールがあることが理解できます。
調査実施者は、一の単位区画と隣接する単位区画とを合わせて130 m2を超えない範囲内であれば、一つの単位区画に統合することができる。
ただし、たとえ面積の合計が 130m2以下であっても、統合した単位区画の長軸(区画の辺と平行な軸の最大値。)が20 mを超えるように統合することはできない。
調査対象地の形状によっては、三つ以上の単位区画を統合した場合についても、単位区画の合計面積及び長軸の長さに関する条件を満足することがあるが、区画の中心点が土壌汚染の有無を示す代表点といいにくいため、区画の統合は二つの単位区画までとすることが望ましい。
整理すると以下のとおりです。
a)単位区画と隣接する単位区画とを合わせて130 m2を超えない範囲内であること。
b)統合した単位区画の長軸(区画の辺と平行な軸の最大値。)が20 mを超えないこと。
c)区画の統合は二つの単位区画までとすることが望ましい。
Cの記載は、明らかに上記のb)とc)に該当するので誤りです。
A、B、D及びEの記載内容を図にしてみました。
Aの面積は100 + 40 = 140 m2です。130 ㎡を超えているので統合できません。
Bの面積は40 + 20 = 60 m2です。統合可能です。
Dは単位区画同士が隣接していない為、統合できません。
Eの面積は75 + 25 = 100 m2です。統合可能です。
私の見解では、回答が「(1)」になります。
過去問題 令和元年度 土壌汚染調査技術管理者試験 問題 12
問題 12 法の人為等由来汚染調査において、ある単位区画について下の図のような六価クロム化合物に関する施設の配置が把握されている。この場合の試料採取等において最低限必要となる試料採取地点の位置(●)及び試料採取の対象とする深さを示した次の図のうち、もっとも適当なものはどれか。
六価クロム化合物は第二種特定有害物質に該当することから、以下の記事を参照下さい。
第二種特定有害物質及び第三種特定有害物質に係る土壌試料採取方法(Appendix-8)の解説
上述の記事の内容を基に図解してみました。
架空配管は汚染のそおそれの評価に関係ありません。
採取箇所に関しては、土壌汚染対策法のガイドラインに以下の記載があります。
単位区画内に土壌汚染が存在する可能性が高い部分がある場合には、当該部分の任意の地点において試料の採取を行うこととし、それ以外の場合には試料採取等の対象とされた当該単位区画の中心において試料の採取を行う。
「土壌汚染が存在する可能性が高いと認められる部分」とは、有害物質使用特定施設及び関連する配管、地下ピット、排水ます等の当該特定有害物質を使用等する施設の場所又はその周辺である。
私の見解では、回答が「(3)」になります。
過去問題 令和元年度 土壌汚染調査技術管理者試験 問題 13
問題 13 法の土壌汚染状況調査における単位区画の設定に関する次のA~Dの記述のうち、正誤の組み合わせとしてもっとも適当なものはどれか。
A 法第3条第1項本文調査の一時的免除を受けている土地の一部で法第3条第8項調査の命令を受けたときは、法第3条第1項本文調査の一時的免除を受けている土地の最北端の地点を起点として定め、土壌汚染状況調査の対象地について単位区画を設定してもよい。
B 過去に法第4条第3項調査を行った工場敷地内の別の場所で法第4条第3項調査を行うことになったときは、当該工場の敷地全体の最北端の地点を起点として定め、当該起点をもとに今回の土壌汚染状況調査の対象地について単位区画を設定してもよい。
C 過去に法第4条第3項調査を行った場所を含む工場の敷地を対象に法第3条第1項本文調査を行うことになったときは、過去の調査で設定した起点を使用し、そのときに単位区画を区画した線を延長して単位区画を設定してもよい。
D 過去に敷地内全体を対象に自主調査を行い、法第14条の指定の申請を行っていない工場敷地内の一部で法第4条第3項調査を行うことになったときは、過去の自主調査で設定した起点を使用し、そのときに単位区画を区画した線を使用して単位区画を設定してもよい。
A B C D
⑴ 正 正 正 正
⑵ 正 正 誤 正
⑶ 誤 正 正 誤
⑷ 誤 誤 正 誤
⑸ 誤 誤 誤 正
土壌汚染対策法のガイドラインにて以下の記載と図を確認しました。
過去に土壌汚染状況調査を行ったことがある土地で、新たな調査契機が生じた場合は、その調査契機における土壌汚染状況調査の対象地の範囲において起点を設け、単位区画を設定することとなる。
上記の記載内容を以下の図に示します。
過去に実施した調査の起点を使用し、当該調査において区画した線を延長した線で土壌汚染状況調査の対象地を区画することができることとなった。
これは法の全ての土壌汚染状況調査にも活用できる。
上記の記載内容を以下の図に示します。
土壌汚染状況調査実施時より後に、土地購入等で敷地境界等の形状が変化し、起点が変わった場合でも過去の土壌汚染状況調査の起点を使用できることとなる。
上記の記載内容を以下の図に示します。
法第3条第1項ただし書の確認を受けている土地で、法第3条第8項に基づいた土壌汚染状況調査が実施された場合で、その後、同ただし書の確認が取り消され、法第3条第1項に基づいた土壌汚染状況調査を行なう場合においても、起点の設定は土壌汚染状況調査の北端に拘らず、過去の法第3条第8項の土壌汚染状況調査時の起点を使用できることとなる。
上記の記載内容を以下の図に示します。
また、以下の記載も確認しました。
過去の起点を使用できることにより、新たな調査契機による土壌汚染状況調査の対象地と過去に実施した土壌汚染状況調査の対象地の重複する範囲で、新たな土壌汚染状況調査と過去の土壌汚染状況調査の単位区画及び 30m格子が一致することとなる。
Aの記載内容に関して、起点の設定は土壌汚染状況調査の北端に拘らず、過去の法第3条第8項の土壌汚染状況調査時の起点を使用できます。
したがって、Aは誤りです。
Bの記載内容に関して、調査契機における土壌汚染状況調査の対象地の範囲において起点を設け、単位区画を設定することができます。
したがって、Bは誤りです。
Cの記載内容に関して、過去に実施した調査の起点を使用し、当該調査において区画した線を延長した線で土壌汚染状況調査の対象地を区画することができます。
したがって、Cは正しいです。
Dの記載内容に関して、過去の自主調査で設定した起点を使用し、そのときに単位区画を区画した線を使用して単位区画を設定することはできません。自主調査はあくまでも自主調査であり、法的な適正が評価されていません。
したがって、Dは誤りです。
私の見解では、回答が「(4)」になります。
過去問題 令和元年度 土壌汚染調査技術管理者試験 問題 14
問題 14 ベンゼンを使用している工場の敷地全体を対象に、法第3条第1項本文調査を行うこととなった。地表に対するベンゼンによる土壌汚染のおそれの区分を示した次の図のうち、もっとも適当なものはどれか。
なお、操業開始以来、下の図の製造棟A及びBでベンゼンの使用が続いている。また、有害物質使用特定施設Xは地下浸透防止措置を定めた改正水質汚濁防止法の施行の日(平成 24 年6 月 1 日)よりも前から設置されており、有害物質使用特定施設Yは同日以後に新設されたものである。
また、同日以後は、有害物質使用特定施設X、Yともに、地下浸透防止措置が適切に行われてきた。
まず、情報を整理します。
・操業開始以来、製造棟A及びBでベンゼンの使用が続いている。
・有害物質使用特定施設Xは平成 24 年6 月 1 日よりも前から設置されている。
・有害物質使用特定施設Yは平成 24 年6 月 1 日以後に新設されている。
・有害物質使用特定施設X、Yともに、平成 24 年6 月 1 日以後、地下浸透防止措置が適切に行われている。
整理した情報より以下の評価ができます。
・製造棟A及びBは汚染のおそれが比較的多い土地
・有害物質使用特定施設Xは汚染のおそれが比較的多い土地
・有害物質使用特定施設Yはおそれが比較的多い土地ではない。単体で評価すれば、土壌汚染が存在するおそれがない土地となるが、用途としては独立していないので汚染のおそれが少ない土地
・事務所は用途が独立していないので汚染のおそれが少ない土地
有害物質使用特定施設の設置年月日及び構造上の基準に関しては以下の記事を参照ください。
平成31年に環境省が改正する土壌汚染対策法の概要(地歴調査)
改正水質汚濁防止法の施行日(平成 24 年6月1日)以降に新設された有害物質使用特定施設が、同法第 12 条の4に定める構造基準等に適合し、同法第 14 条第5項の規定による点検が適切に行われることにより、特定有害物質を含む水が地下に浸透したおそれがないことが確認できた場合にあっては、当該有害物質使用特定施設における地下浸透防止措置が行われている範囲の土地について、土壌汚染が存在するおそれがない土地と認められています。
私の見解では、回答が「(5)」になります。
過去問題 令和元年度 土壌汚染調査技術管理者試験 問題 15
問題 15 法の人為等由来汚染調査において、第一種特定有害物質に対する土壌汚染のおそれの区分に基づく単位区画の分類を行った結果を下の図に示す。土壌ガス調査の試料採取等区画の配置を示した次の図のうち、もっとも適当なものはどれか。
土壌ガス調査の試料採取等区画の配置に関して、土壌汚染対策法のガイドラインに以下の記載がありました。
一つの単位区画内に同じ試料採取等対象物質を使用等していた施設が複数あるような場合は、土壌汚染が存在するおそれがより多い 1地点を選定する。
一部対象区画は「土壌汚染の存在するおそれが多い部分(土地)」が単位区画内に存在しないので、試料採取等区画の中心を試料採取地点とする。ただし、一部対象区画を含む 30m格子の中心を含む単位区画が全部対象区画である場合は、全部対象区画の試料採取地点をもって 30n格子の試料採取地点とすることができることとする。
上述の記載を基に図を作成しました。
私の見解では、回答が「(2)」になります。
やはり5問解くだけでも、時間がかかりますね。
ただ、正解の記載を確認していくだけなら、もっと短い時間でできそうですが、間違っている記載がなぜ、間違っているのかも知らないと自分の知識にはならないような気がしています。
私の経験上、自分の知識にならないと、応用力は身につきません。
応用力が身についていないと、効率の良い環境デューデリジェンスができないような気が……。
一方でこの土壌汚染調査技術管理者試験には、多くの参考書が販売されています。
もし、読者の方が購入されるなら自分に合った参考書をちゃんと選んでください。
私は、土壌汚染問題の基礎が分かる本を買いました。
あと、既に上述していますが、私の個人的な見解と知識で解いていきますので、答えや答えを導く過程が間違っていたらすいません。
仮に間違っていたとしても、私は責任を取りませんのでご了承下さい(笑)。
頑張ってひとつひとつ、ダブルチェック的な観点で調べてみてください。
さて、私は小説を寝る前に本としてゆっくり読みたいタイプの人間ですが、勉強で読む本や参考書はスマートフォンやタブレットで通勤中にAmazon Kindleで読み込むタイプです。
以下の本を何回も参考書のように読んでいます。
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もちろん、自分の知識になりそうな本です。
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最後まで一緒に問題の回答を考えて頂き有難う御座いました。