土壌汚染調査技術管理者試験

平成30年度 環境省 土壌汚染調査技術管理者試験の過去問の解答に挑戦 (その7)

平成30年度 環境省 土壌汚染調査技術管理者試験の過去問の解答に挑戦 (その7)

 

土壌汚染調査技術管理者試験の勉強法は、まず土壌汚染に関する基本知識を身につけることだと考えています。

そして、その為には正解の箇所のみならず、なぜ、この質問の問いの条件は間違っているのかということを知る事だと思います。

 

さて、この記事では問題 30~35を解いていきます。

いよいよ、平成30年の土壌汚染調査管理技術者試験の調査編の最後です。

 

前回の記事でも書いていますが、色々な問題に関して、解き方や問題に対するアプローチの方法は人それぞれです。

□+□=41の答えに1+40=41があり、25+26=41があるのと同じです。

 

つまり、私は答えを導き出す過程は多種多様で良いと考えています。

 

この記事の中の問題に対する私の答えも他の方とアプローチが異なっている可能性があります。仮に私と読者の方の考え方が異なっていても、最終的には回答が正解であれば問題ないと思います。

あと、私の個人的な見解と知識で解いていきますので、答えや答えを導く過程が間違っていたらすいません。仮に間違っていたとしても、私は責任を取りませんのでご了承下さい。

 

この記事は、あくまでも M&A 環境デューデリジェンス(環境DD)や土壌汚染調査の基礎的な知識を習得するための勉強です。

さらに問題に対して私の知識が足りていない場合は、知り合いの環境コンサルタントに少しヒントをもらって問題を解くようにしています。

では、問題26からです。いざ、合格率 約10%の壁への挑戦です。

 

もしかしたら、合格率が10%の壁なんて壊して突破できないと考えている方がいるかもしれません。

私も問題を解きながら、調べることが多々あるので本当に難しい試験だと実感しています。

ただ、次の1回のチャレンジでその大きな壁が共鳴するように崩れる可能性があるかもしれません。

 

試験について詳細を知りたい読者の方は、以下を環境省のウェブサイトを参照してください。

環境省 土壌汚染調査技術管理者試験について

 

ちなみに「平成30年度 土壌汚染調査技術管理者試験の過去問の解答に挑戦」というシリーズでは、平成30年度に土壌汚染調査技術管理者試験が実施されているので、参照としている土壌汚染対策法に関するガイドラインは、「土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第2版)」です。

 

以下のサイトで平成31年3月28日に「土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第3版)」が環境省より公表されておりますが、試験日を考慮して、「土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第2版)」を参照しておりますので、この点をご了承願います。

 

https://www.env.go.jp/press/106629.html

 

茶ポール
茶ポール
いよいよ、調査編は最後か。
のみエコ
のみエコ
そうです。環境DDでは土壌汚染対策法の調査方法が1つのキーポイントですから、全問正解しておきたいところですね。
茶ポール
茶ポール
調査編の全問は無理やろ….。
のみエコ
のみエコ
ですね。自分でも理解しています。問題、難しいですよね。

 

過去問題 平成30年度 土壌汚染調査技術管理者試験 問題 31

 

問題31 第三種特定有害物質を試料採取等対象物質とした法の土壌汚染状況調査において、下の図のように 2 つの 30 m 格子で一部対象区画の試料採取・測定を終了し、下の図のような結果を得て、以降の調査を省略した。

この場合、区域指定の対象となる単位区画の数として次に掲げるもののうち、正しいものはどれか。

 

(1) 35 区画

(2) 40 区画

(3) 41 区画

(4) 45 区画

(5) 50 区画

過去問題 平成30年 土壌汚染調査技術管理者試験 問題31

こういった問題は、図で整理するのが一番ですね。

なので図に整理してみました。

 

過去問題 平成30年 土壌汚染調査技術管理者試験 問題31

 

試料採取を省略している地点は、区画指定の対象になると考えています。

そして、■の調査区画も土壌溶出量基準に不適合なので区画指定の対象になると考えています。

したがって、私の見解では、回答が「(3)」になります。

 

過去問題 平成30年度 土壌汚染調査技術管理者試験 問題 32

 

問題32 水銀及びその化合物を試料採取等対象物質とした法の土壌汚染状況調査の結果、単位区画A~Eについて汚染のおそれが生じた場所の位置ごとに下の表の調査結果が得られた。

単位区画A~Eの評価に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 

(1) 単位区画Aは、第二溶出量基準に不適合、土壌含有量基準に不適合となる。

 

(2) 単位区画Bは、土壌溶出量基準に不適合(第二溶出量基準に適合)、土壌含有量基準に不適合となる。

 

(3) 単位区画Cは、土壌溶出量基準に適合、土壌含有量基準に適合となる。

 

(4) 単位区画Dは、第二溶出量基準に不適合、土壌含有量基準に適合となる。

 

(5) 単位区画Eは、土壌溶出量基準に適合、土壌含有量基準に不適合となる。

 

過去問題 平成30年 土壌汚染調査技術管理者試験 問題32

 

まずは、各単位区画の条件を図にして考えてみることにしましたが図を作成してる段階で、問題で問われていることがシンプルであることに気が付きました(笑)。

しかし、作ったものは作ったので図は記載しておきます。

 

過去問題 平成30年 土壌汚染調査技術管理者試験 問題32 過去問題 平成30年 土壌汚染調査技術管理者試験 問題32 過去問題 平成30年 土壌汚染調査技術管理者試験 問題32

 

私の見解では、回答が「(4)」になります。

 

過去問題 平成30年度 土壌汚染調査技術管理者試験 問題 33

 

問題33 ジクロロメタンのみが試料採取等対象物質である法の土壌汚染状況調査を行った。土壌ガス調査結果は下の図に示す通りである。

単位区画の汚染状態の評価に関する次の記述のうち、もっとも不適当なものはどれか。

 

(1) 単位区画Aでボーリング調査を行い、採取した土壌がすべての深度で土壌溶出量基準に適合した場合であっても、土壌ガスが検出されているので、当該区画は土壌溶出量基準に不適合とみなされる。

 

(2) 単位区画Aでボーリング調査を行い、採取した土壌のうち 1 深度のみが第二溶出量基準に不適合であった場合は、当該区画は第二溶出量基準に不適合とみなされる。

 

(3) 単位区画Aでボーリング調査を行い、採取した土壌が連続する 2 深度で土壌溶出量基準に適合であったが、その他の深度では土壌溶出量基準に不適合であった場合は、当該区画は土壌溶出量基準に不適合とみなされる。

 

(4) 土壌ガスが採取できなかった単位区画Bで地下水を採取したところ、地下水基準に適合したので、当該区画は土壌溶出量基準に適合するとみなされる。

 

(5) 単位区画Cは土壌ガスが不検出であったので、本調査対象地の土壌汚染状況調査の結果に基づいて要措置区域等に指定されることはない。

 

過去問題 平成30年 土壌汚染調査技術管理者試験 問題33

 

この問題は、(1)から(5)の条件をじっくり読んでみることで正解が見えてきました。

  • から(5)の条件は、特に複雑なことを書いているわけではありません。

じっくり、丁寧に読めば、誤っている条件がわかります。

 

私の見解では、回答が「(1)」になります。

 

過去問題 平成30年度 土壌汚染調査技術管理者試験 問題 34

 

問題34 1,1,2‒トリクロロエタンのみの使用履歴がある事業場において法の土壌汚染状況調査を行うこととなった。

土壌ガス調査を省略し、対象外区画を除くすべての単位区画でボーリング調査による 1,1,2‒トリクロロエタン及び分解生成物の土壌溶出量調査を実施した。

試料採取を行った単位区画に対する汚染状態の評価に関する次のA~Eの記述のうち、もっとも適当なものの組み合わせはどれか。

なお、調査対象地外に起因する土壌汚染・地下水汚染は存在しないものとする。

 

A 1,1,1‒トリクロロエタンについて、第二溶出量基準に不適合となる可能性がある。

 

B 1,1,2‒トリクロロエタンについて、必ず第二溶出量基準に不適合となる。

 

C 1,2‒ジクロロエタンについて、土壌溶出量が基準不適合となる可能性がある。

 

D 1,1‒ジクロロエチレンについて、必ず土壌溶出量基準に適合となる。

 

E クロロエチレンについて、土壌溶出量が基準不適合となる可能性がある。

 

(1) A、B

(2) A、D

(3) B、C

(4) C、E

(5) D、E

 

まず、1,1,2‒トリクロロエタンの分解生成物に関して、調べてみました。

1,1,2‒トリクロロエタンの分解生成物は、以下のとおりです。

 

1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエチレン、 シス-1,2-ジクロロエチレン、クロロエチレン

 

Aの条件では、1,1,2‒トリクロロエタンの分解生成物に1,1,1‒トリクロロエタンが含まれないので間違いです。

 

Bの条件では、ボーリング調査の結果次第なので「必ず第二溶出量基準に不適合となる」とは言及できません。

 

Cの条件では、1,2‒ジクロロエタンが1,1,2‒トリクロロエタンの分解生成物なのでこの条件の可能性はあります。

 

Dの条件は、Bの条件と考え方は同じです。

 

Eの条件は、Cの条件と考え方は同じです。

 

したがって、私の見解では、回答が「(4)」になります。

 

過去問題 平成30年度 土壌汚染調査技術管理者試験 問題 35

 

問題35 平成 20 年に公有水面埋立法による公有水面の埋立てが行われた工業専用地域内の土地における法の土壌汚染状況調査の結果、ある単位区画について、以下の状況が確認された。

・人為的原因の土壌汚染:水銀及びその化合物(以下「水銀」とする。)の第二溶出量基準不適合及び土壌含有量基準不適合

 

・水面埋立て用材料由来の土壌汚染:ふっ素及びその化合物(以下「ふっ素」とする。)の土壌溶出量基準不適合(第二溶出量基準適合)

 

・自然由来の土壌汚染:砒ひ素及びその化合物(以下「砒ひ素」とする。)の土壌溶出量基準不適合(第二溶出量基準適合)

 

当該単位区画が形質変更時要届出区域に指定された場合の区域等の分類に関する次の記述のうち、もっとも適当なものはどれか。

 

(1) 水銀、ふっ素及び砒ひ素について一般管理区域に分類される。

 

(2) 水銀、ふっ素及び砒ひ素について埋立地管理区域に分類される。

 

(3) 水銀及びふっ素について一般管理区域に指定され、砒ひ素について自然由来特例区域に分類される。

 

(4) 水銀及びふっ素について埋立地管理区域に指定され、砒ひ素について自然由来特例区域に分類される。

 

(5) 水銀について一般管理区域に、ふっ素について埋立地特例区域に、砒ひ素について自然由来特例区域に分類される。

 

私の苦手な公有水面埋立法に関する評価ですね。

土壌汚染対策法の土壌汚染調査ガイドラインで調べてみました。

 

「平成 20 年に公有水面埋立法による公有水面の埋立てが行われた工業専用地域内の土地」なので、汚染原因が自然由来のみ(自然地層のみ)以外は埋立地管理区域に該当するとの表を確認しました。

 

したがって、私の見解では、回答が「(2)」になります。

 

いやー。やっと調査編の35問が終了しました。

コツコツと5問毎に解いていても時間がかかるものですね。

ただ、この費やした時間が環境デューデリジェンスを実施する上での知識や技術になれば良いですね。

 

一方でこの土壌汚染調査技術管理者試験には、多くの参考書が販売されています。

 

もし、読者の方が購入されるなら自分に合った参考書をちゃんと選んでください。

私は、土壌汚染問題の基礎が分かる本を買いました。

参考書では、問題の答えだけが説明されているものもあります。しかし、それでは応用力がつきません。他の選択肢に関しても、なぜ正解なのかを知っておくべきです。

 

あと、既に上述していますが、私の個人的な見解と知識で解いていきますので、答えや答えを導く過程が間違っていたらすいません。

仮に間違っていたとしても、私は責任を取りませんのでご了承下さい(笑)。

頑張ってひとつひとつ、ダブルチェック的な観点で調べてみてください。

 

 

最後まで一緒に問題の回答を考えて頂き有難う御座いました。

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