平成31年 改正土壌汚染対策法

土壌溶出量調査に係る測定方法(Appendix-9)の解読

土壌汚染対策法のガイドライン改訂第3版の土壌溶出量調査に係る測定方法

 

土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン 改訂第3版のAppendixは参考資料として付属されており、Appendix No.1からAppendix No.25まであります。

 

土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドラインの本文を読んで、土壌汚染問題に関する調査などの知識を得るということは必須であり、環境デューデリジェンスの知識や技術の向上にも必要なことです。

 

一方で私の経験上、土壌汚染問題や土壌汚染調査の本質的な事項は意外にも付属しているAppendixに多く記載されていると考えています。

つまり、土壌汚染問題を理解する為の基礎情報や補足情報が記載されているということです。

 

なぜ、土壌汚染問題に関する基礎情報や補足情報が環境デューデリジェンスに必要かということですが、環境デューデリジェンスの結果はM&A取引を行う企業間同士で共有されます。

そして、環境DDの結果に関して議論されるわけです。

 

議論の際に当然、環境面や土壌汚染問題の知識がない担当者の方や経営層がいる可能性はあります。

そのようなケースでは、基礎情報や補足情報を丁寧に説明するということが非常に効果的であり、重要なのです。あくまでも私の経験の話ですが…(笑)。

 

更に環境省の土壌汚染調査管理技術者試験でも、Appendixに記載されている内容が問題として出題されいます。

実際、土壌汚染調査管理技術者試験の問題を解いていると、結構の頻度でAppendixを参照しています。

 

そこで、環境デューデリジェンスの知識や技術の向上を考慮して、Appendixに記載されている内容を学んでみることにしました。

 

私は海外M&Aの環境デューデリジェンスを多数経験していますが、やはり国内の環境デューデリジェンスに適用されることが多い土壌汚染対策法のルールを知っておくことは重要だと考えています。

土壌汚染対策法では○○で、海外の法規制では○○ですという例え話は、とても説得力がありますし、理解しやすいですからね。

 

今回は、Appendix No.9土壌溶出量調査に係る測定方法についてです。

 

私なりの解釈や概要を整理していきます。

 

土壌溶出量調査に係る測定方法を定める件

土壌溶出量調査に係る測定方法を定める件

 

 

土壌溶出量調査に係る測定方法を定める件は、平成15年3月に環境省告示第18号とし公表されています。

この告示の最終改正は平成31年3月です。環境省告示は第50号です。

 

土壌汚染対策法施行規則第6条第3項第4号の環境大臣が定める土壌溶出量調査に係る測定方法は、別表の特定有害物質の種類の欄に掲げる特定有害物質について平成3年8月環境庁告示第 46 号(土壌の汚染に係る環境基準について)付表に掲げる方法により作成した検液ごとに、別表の測定方法の欄に掲げるとおりです。

 

以下の図を参照下さい。

 

第1種特定有害物質の土壌溶出量調査に係る測定方法

 

第2種特定有害物質の土壌溶出量調査に係る測定方法 第3種特定有害物質の土壌溶出量調査に係る測定方法

 

 

さて、あなたも既にご存知のとおり、土壌汚染対策法では以下の2つの経路に着目して土壌に含まれることに起因して人の健康に係る被害を生ずるおそれがある特定有害物質 26 種類を政令で指定しています。

 

①有害物質を含む土壌を直接摂取すること

②土壌中の有害物質が地下水に溶出し、当該地下水を摂取等すること

 

 

土壌溶出量調査は、【土壌中の有害物質が地下水に溶出し、当該地下水を摂取等すること】の経路を評価する為の調査です。

 

【土壌中の有害物質が地下水に溶出し、当該地下水を摂取等すること】「人の暴露の可能性がある」の判断基準の1つであり、詳細は以下の記事を参照下さい。

 

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特定有害物質を含む地下水が到達し得る『一定の範囲』の考え方(Appendix-1)の解説

 

 

最後に…

 

今回は、Appendix No.9土壌溶出量調査に係る測定方法について、私なりに整理してみました。

 

学ぶべきことが沢山あったと実感しています。

 

【土壌中の有害物質が地下水に溶出し、当該地下水を摂取等すること】を理解する為に特定有害物質を含む地下水が到達し得る『一定の範囲』の考え方(Appendix-1)の解説を再度、読み直す機会にもなりました。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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