こんなことを書いてます
【解説】平成29年度 環境省 土壌汚染調査技術管理者試験の過去問の解答に挑戦 (その7)
本記事では平成29年度 土壌汚染調査技術管理者試験の過去問の問題31から問題35の解答に挑戦していきます。
可能な限り理解しやすいように解説しようと思います。
前回の問題26~30に関しては、以下の記事を参照下さい。
土壌汚染調査技術管理者試験の勉強法は、過去問を攻略することが基本です。
可能な範囲で多くの問題を解いていこうと私は考えています。
ただし、この記事はあくまでもM&A環境デューデリジェンス(環境DD)や土壌汚染調査の基礎的な知識を習得するために書いています。
もちろん、読者の方(あなた)の土壌汚染調査技術管理者試験勉強にとって有益な情報になれば良いとも考えています。
私は土壌汚染調査技術管理者試験の専門家ではありません。したがって、解答に対するアプローチや考え方が、本来の正解と異なる可能性がございます。
その点を事前にご了承願います。
問題に対して私の知識が足りていない場合は、知り合いの環境コンサルタントに少しヒントをもらって問題を解くようにしています。
では、問題31からです。いざ、合格率 約10%への挑戦です。
過去問題 平成29年度 土壌汚染調査技術管理者試験 問題 31
問題 31 法の土壌ガス調査を行った結果、下の図の濃度分布が得られた。土壌ガス濃度が相対的に高く、ボーリング調査が必要な地点はいくつあるか。
(1) 1つ
(2) 2つ
(3) 3つ
(4) 4つ
(5) 5つ
土壌汚染対策法のガイドラインで以下の記載を確認しました。
調査実施者は、土壌ガス調査において気体から試料採取等対象物質が検出された試料採取地点があるとき、又は地下水から検出された試料採取等対象物質が地下水基準に適合しなかった試料採取地点があるときは、気体から試料採取等対象物質が検出された試料採取地点又は地下水から検出された試料採取等対象物質が地下水基準に適合しなかった試料採取地点を含む単位区画が連続する範囲ごとに、基準不適合土壌が存在するおそれが当該検出範囲内で連続する他の単位区画と比較して多いと認められる単位区画の地点において、試料採取等を行うものとする。
ここで、「単位区画が連続する範囲」とは、単位区画の4辺及び4頂点のいずれかが他の単位区画と接していることをもって連続しているものとし、「連続する他の単位区画」とは、単位区画の周囲にある最大8つの単位区画のことを指すものとする。
また、「土壌汚染が存在するおそれが隣接する他の単位区画と比較して多いと認められる」とは、原則として、検出された土壌ガスの濃度が連続する他の単位区画と比べて高い濃度であることをいう。
代表地点とは、検出範囲内の隣接する他の区画よりも土壌ガス濃度が高く検出された試料採取地点です。
図で整理してみました。
なかなか、土壌汚染対策法のガイドラインで記載されているような検出範囲の問題は出題されないということですね(笑)。
自信はありませんが、私の見解では図のようになりました。
問題31の私の回答は「(3)」です。
過去問題 平成29年度 土壌汚染調査技術管理者試験 問題 32
問題 32 砒素及びその化合物を対象として、人為的原因及び水面埋立て用材料由来の土壌汚染の両方が存在する場合の土壌汚染状況調査を行った。
基本となる調査の結果及び水面埋立地特例調査の結果は下の図に示すとおりであった。
この調査結果の評価として、基準不適合の原因が、水面埋立て用材料由来のみである単位区画の数として次に掲げるもののうち、正しいものはどれか。
なお、土壌含有量基準に適合しているものとする。
(1) 5
(2) 11
(3) 13
(4) 16
(5) 21
図で整理してみました。
赤い区画は、水面埋立地特定の調査結果において、土壌汚染溶出量基準が不適合かつ、基本となる調査結果で土壌汚染溶出量基準が不適合になった地点です。
そして、青い区画が水面埋立地特定の調査結果において、土壌汚染溶出量基準が不適合かつ、赤い区画以外の区画です。
青い区画が16区画あります。
問題32の私の回答は「(4)」です。
過去問題 平成29年度 土壌汚染調査技術管理者試験 問題 33
問題 33 法における土壌汚染が専ら自然に由来するかどうかの判定方法に関する次の記述のうち、もっとも不適当なものはどれか。
⑴ 土壌溶出量基準に適合しない特定有害物質の種類が第二種特定有害物質のいずれかであれば、自然由来の土壌汚染である可能性が考えられる。
⑵ 土壌溶出量が土壌溶出量基準値のおおむね10倍を超える場合は、人為的原因による土壌汚染の可能性が比較的高い。
⑶ 化合物の存在形態として、天然には見出しにくい形態で存在する場合には人為的原因による土壌汚染の可能性が考えられる。
⑷ 含有量(全量分析)が自然由来の汚染と判断する際の目安の範囲を超える場合、人為的な作用が及んでいる可能性が高い。
⑸ 特定有害物質の浸透による影響を受けている可能性が低いと判断できる深度以深では、人為的原因による土壌汚染の可能性は低い。
この問題に関しては、以下の記事を参照ください。
自然由来による基準不適合土壌の判断方法及びその解説(Appendix-3)の解読
問題33の私の回答は「(1)」です。
過去問題 平成29年度 土壌汚染調査技術管理者試験 問題 34
問題 34 法の土壌ガス調査において、複数地点で土壌ガスが検出されたのち、残りの土壌ガスの試料採取を省略し、下の図に示す調査結果を得た。以降の調査を省略し、土壌の汚染状態を評価する場合、第二溶出量基準不適合とみなされる区画の位置を示した次の図のうち、正しいものはどれか。
土壌ガスが検出された区画及び土壌ガス調査を実施すべき区画を第二溶出量基準不適合とみなされる区画として図で整理してみました。
問題34の私の回答は「(3)」です。
過去問題 平成29年度 土壌汚染調査技術管理者試験 問題 35
問題 35 自然由来の土壌汚染のおそれがある自然地層の切土を行い、これを材料として盛土が行われていた。
この調査対象地において自然由来特例の調査の後、さらに一部で絞り込み調査を実施し、下の図に掲げる調査結果を得た。
調査結果の評価に関する次の記述のうち、もっとも適当なものはどれか。
⑴ 土壌溶出量基準に適合とみなされる単位区画は1か所である。
⑵ 土壌含有量基準に適合とみなされる単位区画は7か所である。
⑶ 土壌含有量基準に不適合とみなされる30m格子は3か所である
⑷ 土壌溶出量基準に不適合とみなされる30m格子は8か所である。
⑸ 第二溶出量基準に不適合とみなされる30m格子は3か所である。
この問題はまず、問題の意味を理解するのに時間が掛かりました(笑)。
(1)と(2)の条件に関して、この問題から単位区画は評価できないです。
したがって、(1)と(2)の条件は誤りです。
(3)の条件に関して、土壌含有量基準に不適合とみなされる30m格子は0箇所です。
したがって、(3)の条件は誤りです。
(4)の条件に関して、図で整理しました。
したがって、(4)の条件は正しいです。
(5)の条件に関して、以下の記載を土壌汚染対策法のガイドラインで確認しました。
汚染が自然に由来するおそれがある土地において、調査対象地の最も離れた二つの30m四方の格子状の区画内の1地点で試料採取等を行った結果、試料採取等対象物質について第二溶出量基準に適合することが明らかとなった場合において、その時点で土壌汚染の有無が判明していないもう1地点における試料採取等を省略することができる。
このことは、自然由来盛土についても同様である。
この場合には、汚染が自然に由来するおそれがある土地については、第二溶出量基準を超えるような高濃度の土壌汚染は想定されないことから、調査対象地の区域を土壌溶出量基準及び土壌含有量基準に適合しない土地とみなす。
したがって、(5)の条件は誤りです。
問題35の私の回答は「(4)」です。
なんとか、問題35まで回答することができました。
平成29年度 土壌汚染調査技術管理者試験の調査編は完了しました。
環境デューデリジェンスの基礎知識の為に、今後も残りの問題を解いていこうと思います。
令和1年(令和元年)の土壌汚染調査技術管理者試験まであと1ヶ月とちょっとですね。
回答に挑戦できる年度までは進めていこうと考えています。
もし、あなたが土壌汚染調査技術管理者試験の対策の為にこの記事を読んでいるのであれば、ズバリ!まだ、間に合います!
焦らずに、一問一問を読んで理解してみてください!頑張ってください!
この土壌汚染調査技術管理者試験には、多くの参考書が販売されています。
できることはしておきましょう!
もし、あなたが購入されるなら自分に合った参考書をちゃんと選んでください。
私は、土壌汚染問題の基礎が分かる本を買いました。
参考書では、問題の答えだけが説明されているものもあります。
しかし、それでは応用力がつきません。
他の選択肢に関しても、なぜ正解なのかを知っておくべきです。
既に上述していますが、私の個人的な見解と知識で解いていきますので、答えや答えを導く過程が間違っていたらすいません。
仮に間違っていたとしても、私は責任を取りませんのでご了承下さい(笑)。
頑張ってひとつひとつ、ダブルチェック的な観点で調べてみてください。
残りの問題は以下の記事から回答を確認できます。
【まだ間に合う!】平成30年度 土壌汚染調査技術管理者試験の過去問の解説
最後までこの記事を読んで頂きありがとうございました。