平成31年 改正土壌汚染対策法

地歴チェックリスト:土壌汚染対策法 第3条 第1項 調査(Appendix-18)の解読

土壌汚染対策法のガイドライン改訂第3版の地歴チェックリスト:土壌汚染対策法 第3条 第1項 調査

 

土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン 改訂第3版のAppendixは参考資料として付属されており、Appendix No.1からAppendix No.25まであります。

 

土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドラインの本文を読んで、土壌汚染問題に関する調査などの知識を得るということは必須であり、環境デューデリジェンスの知識や技術の向上にも必要なことです。

 

一方で私の経験上、土壌汚染問題や土壌汚染調査の本質的な事項は意外にも付属しているAppendixに多く記載されていると考えています。

つまり、土壌汚染問題を理解する為の基礎情報や補足情報が記載されているということです。

 

なぜ、土壌汚染問題に関する基礎情報や補足情報が環境デューデリジェンスに必要かということですが、環境デューデリジェンスの結果はM&A取引を行う企業間同士で共有されます。

そして、環境DDの結果に関して議論されるわけです。

 

議論の際に当然、環境面や土壌汚染問題の知識がない担当者の方や経営層がいる可能性はあります。

そのようなケースでは、基礎情報や補足情報を丁寧に説明するということが非常に効果的であり、重要なのです。あくまでも私の経験の話ですが…(笑)。

 

更に環境省の土壌汚染調査管理技術者試験でも、Appendixに記載されている内容が問題として出題されいます。

実際、土壌汚染調査管理技術者試験の問題を解いていると、結構の頻度でAppendixを参照しています。

 

そこで、環境デューデリジェンスの知識や技術の向上を考慮して、Appendixに記載されている内容を学んでみることにしました。

 

私は海外M&Aの環境デューデリジェンスを多数経験していますが、やはり国内の環境デューデリジェンスに適用されることが多い土壌汚染対策法のルールを知っておくことは重要だと考えています。

土壌汚染対策法では○○で、海外の法規制では○○ですという例え話は、とても説得力がありますし、理解しやすいですからね。

 

今回は、Appendix No.18の土壌汚染対策法のガイドライン改訂第3版の地歴チェックリスト:土壌汚染対策法 第3条第1項 調査についてです。

 

Appendix No.18はボリュームは多いので、土壌汚染対策法 第3条第1項 調査土壌汚染対策法 第3条第8項 調査、土壌汚染対策法 第4条及び5条 調査で分けることにしました。

 

地歴調査チェックリストは、調査実施者が地歴調査においてなすべき調査の項目及びその手順が整理されたものです。

 

具体的には、調査実施者(指定調査機関)が土壌汚染対策法 第3条第1項の土壌汚染状況調査における土壌溶出量基準又は土壌含有量基準に適合していないおそれがある特定有害物質の種類の通知の申請をする場合や、報告義務者が土壌汚染対策法 第3条、土壌汚染対策法 第4条及び土壌汚染対策法 第5条に基づく土壌汚染状況調査の結果を報告する場合に、適切な地歴調査が行われたことを示すための資料です。

 

折角ですので、土壌汚染対策法 第3条第1項 調査に関する主な内容も合わせて整理しています。

 

 

 

土壌汚染対策法 第3条第1項 調査の地歴調査チェックリスト

 

 

土壌汚染対策法 第3条第1項調査の地歴調査チェックリストには【通知の申請用】【土壌汚染状況調査結果報告用】があります。

 

両地歴調査チェックリストでは、以下の事項の記載が求められています。【通知の申請用】と【土壌汚染状況調査結果報告用】に記載内容の違いはありません。

 

🔷 工場又は事業場(使用が廃止された有害物質使用特定施設に係る工場又は事業場)の名称

 

🔷 工場又は事業場の敷地であった土地の所在地

 

🔷 指定調査機関の氏名又は名称

 

🔷 技術管理者の氏名

 

🔷 技術管理者証の交付番号

 

🔷 地歴調査結果の概要

 

 

 

地歴調査結果の概要では、以下の汚染のおそれの種類に関して、試料採取等対象物質の種類及び理由を記載する必要があります。

 

🔶 人為等由来による汚染のおそれ(工場又は事業場の名称、操業期間)

 

🔶 自然由来におる汚染のおそれ

 

🔶 水面埋立て土砂由来による汚染のおそれ(造成の着手日:昭和52年3月15日以降、昭和52年3月14日以前)

 

 

以下の図を参照下さい。土壌汚染対策法 第3条第1項調査の地歴調査チェックリストです。

 

地歴調査結果の概要

 

 

図に関する情報を整理していきます。

 

地歴調査結果の概要】の「理由」の欄の記入要領は以下の通りであり、①~⑤のいずれか(該当するものすべて)を記入することになります。

 

 

①:調査対象地において土壌溶出量基準又は土壌含有量基準に適合しないことが明らかであり、その理由が

①-1:自然由来の汚染によるもの(自然地層)と考えられる

①-2:自然由来の汚染によるもの(盛土)と考えられる

①-3:水面埋立て用材料由来の汚染によるものと考えられる

①-4:上記三つによるものと考えられないもの

 

②:固体若しくは液体として、調査対象地に

②-1:埋設された履歴が認められた

②-2:飛散した履歴が認められた

②-3:流出した履歴が認められた

②-4:地下浸透した履歴が認められた

 

※上記の②-1~②-4に関して、「埋設」、「飛散」、「流出」又は「地下浸透」を明確に区 分できない場合については「②」とします。

 

③:調査対象地の施設において

③-1:製造履歴がある

③-2:使用履歴がある

③-3:処理履歴がある

 

※上記の③-1~③-3に関して、「製造」、「使用」又は「処理」を明確に区分できない場合については「③」とします。

 

④:固体若しくは液体を施設において貯蔵・保管されていた(ただし、環境大臣が定める特定有害物質を含む液体の地下への浸透の防止のための措置が講じられている施設において貯蔵・保管されていたものを除く)

 

⑤:②~④と同等程度に土壌汚染のおそれがあると認められ、その理由が

⑤-1:自然由来の汚染により基準不適合が認められた自然地層がある地点の近傍に位置する

⑤-2:調査対象地の盛土に用いられた盛土材料の掘削場所又は採取された地層において自然由来の汚染による基準不適合が認められている

⑤-3:自然由来の汚染により基準不適合である盛土を掘削した自然地層が調査対象地内にある

⑤-4:同一の水面埋立て用材料で造成された土地において基準不適合が認められた

⑤-5:その他

 

※上記の⑤-5については、土壌汚染のおそれがあると認められた理由を簡潔に記載する必要があります。

 

 

 

なお、第一種特定有害物質について①~⑤の土壌汚染のおそれがある場合、分解生成物についても「分解生成物(②-1)」のように記入します。

 

例:トリクロロエチレンの貯蔵・保管が認められた場合、分解生成物である 1,2-ジクロロエチレンについて「分解生成物(④)」と記入します。

 

分解生成物については、以下の記事を参照下さい。

 

 

土壌汚染対策法の特定有害物質のまとめ【環境省 公表の平成31年度 改正土壌汚染対策法含む】
土壌汚染対策法の特定有害物質のまとめ【環境省 公表の平成31年度 改正土壌汚染対策法含む】土壌汚染対策法の特定有害物質のまとめ【環境省 公表の平成31年度 改正土壌汚染対策法含む】 土壌汚染調査において、土壌汚染対策...

土壌汚染対策法の特定有害物質のまとめ【環境省 公表の平成31年度 改正土壌汚染対策法含む】

 

 

 

土壌汚染対策法の土壌汚染状況調査の契機の基本的な考え方

 

 

土壌汚染対策法の土壌汚染状況調査にはいくつかの調査を実施する契機があります。

その土壌汚染対策法の土壌汚染状況調査の契機の基本的な考え方は以下のとおりです。

 

土壌汚染による環境リスクの管理の前提として、土壌汚染に係る土地を的確に把握する必要がある。このため、汚染の可能性のある土地について、一定の機会をとらえて、土壌の特定有害物質による汚染の状況の調査を行うこととしている。

具体的には、特定有害物質を製造、使用又は処理する施設の使用が廃止された場合、土壌汚染のおそれがある土地の形質の変更が行われる場合及び土壌汚染により人の健康被害が生ずるおそれがある場合に調査を行うこととしている。

 

上記の基本的な考え方は、もちろん土壌汚染対策法第3条第1項に関する調査にも適用されます。

 

 

 

土壌汚染対策法 第3条第1項調査の基本的な考え方

 

突然ですが、土壌汚染対策法 第3条第1項調査は【調査命令】ではなく、【調査義務】です。

土壌汚染対策法 第3条第8項調査や土壌汚染対策法 第4条第2項調査、土壌汚染対策法 第5条調査が【調査命令】に該当します。

 

 

調査義務】の内容に関して整理していきます。

 

特定有害物質を取り扱ったことのある工場・事業場については、土壌汚染の可能性が高いと考えられることから、工場・事業場としての管理がなされなくなる時点で土壌汚染状況調査を行う必要があります。

 

具体的には、土壌汚染対策法において、水質汚濁防止法 第2条第2項に規定する特定施設であって、特定有害物質を使用等するもの(有害物質使用特定施設)の使用の廃止の時点において、土地の所有者等に対し、調査を実施する義務が課せられます。

有害物質使用特定施設」は、意図的に特定有害物質を使用等するものに限られ、特定有害物質を微量含む原材料を用いるが当該特定有害物質に対し何らの働きかけをしない施設等は含まれません。

 

有害物質使用特定施設の「使用の廃止の時点」とは、当該施設の使用をやめるか、又は当該施設の使用は続けるものの当該特定有害物質の使用をやめる時点です。

したがって、その時点においては、水質汚濁防止法 第7条若しくは第 10 条又は下水道法第 12 条の4若しくは第 12 条の7の規定による届出が行われるべきなのです。

 

水質汚濁防止法及び下水道法の関連条項は以下の通りです。

 

水質汚濁防止法

特定施設等の構造等の変更の届出

第7条 第5条又は前条の規定による届出をした者は、その届出に係る第5条第1項第4号から第9号までに掲げる事項、同条第2項第4号から第8号までに掲げる事項又は同条第3項第3号から第6号までに掲げる事項の変更をしようとするときは、環境省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

 

水質汚濁防止法

氏名の変更等の届出

 第10条 第5条又は第6条第1項若しくは第2項の規定による届出をした者は、その届出に係る第5条第1項第1号若しくは第2号、第2項第1号若しくは第2号若しくは第3項第1号若しくは第2号に掲げる事項に変更があつたとき、又はその届出に係る特定施設若しくは有害物質貯蔵指定施設の使用を廃止したときは、その日から30日以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

 

下水道法

特定施設の構造等の変更の届出

第12条の4 前条の規定による届出をした者は、その届出に係る同条第1項第4号から第7号までに掲げる事項を変更しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公共下水道管理者に届け出なければならない。

 

下水道法

氏名の変更等の届出

 第12条の7 第12条の3の規定による届出をした者は、その届出に係る同条第1項第1号若しくは第2号に掲げる事項に変更があつたとき、又は特定施設の使用を廃止したときは、その日から30日以内に、その旨を公共下水道管理者に届け出なければならない。

 

 

有害物質使用特定施設の設置者と土地の所有者等が異なる場合は、有害物質使用特定施設設置者が有害物質使用特定施設の廃止の届出を都道府県知事へ提出することになり、土地の所有者等は施設の使用の廃止を知ることができないケースがあります。

そういったケースでは、都道府県知事は土地の所有者等に施設の使用が廃止された旨等の通知を行い、土地所有者等に調査義務が発生したことを知らせます。

 

 

有害物質使用特定施設の使用が廃止された場合であっても、その土地について予定されている利用の方法からみて、土壌汚染により人の健康被害が生ずるおそれがないときは、その状態が継続する間に限り調査の実施を免除できます。

都道府県知事の確認による調査義務の一時的免除(土壌汚染対策法 第3条1項のただし書き)の仕組みのことです。

 

有害物質使用特定施設の使用が廃止された場合であっても、その土地について予定されている利用の方法からみて、土壌汚染により人の健康被害が生ずるおそれがないときは、その状態が継続する間に限り調査の実施を免除することができます。

この場合、人の健康被害が生ずるおそれがないことについて、都道府県知事の確認が必要です。

 

 

 

土壌汚染対策法 第3条第1項調査の行政への報告は、調査の義務が発生した日から起算して 120 日以内に行う必要があります。

ただし、当該期間内に報告できない特別の事情があると認められる時は、都道府県知事は、土地の所有者等の申請により、期限を延長できます。

 

「調査の義務が発生した日」とは、土地の所有者等が有害物質使用特定施設の設置者である場合は施設の使用廃止日、設置者でない場合は土地の所有者等が通知を受けた日です。

土壌汚染対策法 第3条第1項ただし書の都道府県知事の確認を受けた場合には、確認の取消しの通知を受けた日です。

 

 

 

土壌汚染対策法 第3条第1項調査における土壌汚染状況調査の対象地の範囲

 

土壌汚染対策法 第3条第1項の土壌汚染状況調査は、使用が廃止された有害物質使用特定施設に係る工場・事業場の敷地であった土地の全ての区域が対象となります。

「工場・事業場の敷地」とは、公道等(私道、水路、緑地帯、フェンス、壁その他の工場・事業場の敷地を外形上明確に区分することができる施設も含む。)の工場・事業場の設置者以外の者が管理する土地により隔てられていない一連の工場・事業場の敷地です。

公道等により隔てられている場合であっても、特定有害物質を含む液体等が流れる配管等により接続され一体の生産プロセスとなっている等、特定有害物質による汚染の可能性がある場合には、隔てられた双方の土地を一の工場・事業場の敷地として取り扱います。

既に土壌汚染対策法 第3条第1項ただし書の確認(一時的免除)を受けている土地についても、土地の所有者等からの情報提供や要請に応じて、調査の一時的免除の範囲の明確化や見直しについて、都道府県知事が必要に応じて適切に対応することとなります。

 

工場・事業場の敷地についての考え方において、設置者自らが管理する私道、水路、緑地帯、フェンス、壁その他の工場・事業場の敷地を外形上明確に区分することができる施設(区分された両側の土地が、別々の工場・事業場とみなせる程度に事業の相互の関連性が小さいものに限る。)で区分されている場合や工場・事業場の敷地が、学校や住宅等によって区分されている場合にも、公道等により隔てられた場合と同様に取り扱うことになります。

一方で、公道等により隔てられている使用が廃止された有害物質使用特定施設と一体の生産プロセスを形成している施設がない土地は同一の工場・事業場の敷地とはみなされず、土壌汚染状況調査の対象地とはなりません。

 

図で整理すると以下のとおりです。

公道等で隔てられている場合に、片方の土地のみが土壌汚染状況調査の対象地となる例

 

 

 

土壌汚染対策法 第3条第1項調査における地歴調査の流れ

 

土壌汚染対策法 第3条第1項調査における地歴調査の流れは以下の通りです。

 

土壌汚染対策法 第3条第1項における地歴調査の流れ

 

 

基本的には以下の流れです。

 

1. 土地の所有者等が有害物質使用特定施設の廃止届出を行政(都道府県知事)へ提出

 

2. 調査実施者(指定調査機関)が情報の入手・把握を実施

 

3. 調査実施者(指定調査機関)が行政へ土壌汚染状況調査の対象地において土壌汚染のおそれがある特定有害物質の種類の通知の申請

 

4. 行政(都道府県知事)が土壌汚染状況調査の対象地において土壌汚染のおそれがある特定有害物質の種類の通知

 

5. 調査実施者(指定調査機関)が試料採取等対象物質の種類の選定及び汚染のおそれの由来に応じた区分

 

 

土壌汚染対策法 第3条第1項調査の行政への報告は、調査の義務が発生した日から起算して 120日以内に行う必要があります。

 

 

地歴調査は、120日以内に含まれる業務範囲です。

 

 

土壌汚染対策法 第3条第1項調査の全体的な流れは以下に記載する通りです。

 

土壌汚染対策法 第3条第1項調査の全体的な流れ

 

 

一見、複雑なように見えますが、ステップ毎に進めると綺麗に整理されているフローだと理解できます。

 

 

 

地歴調査において調査実施者(指定調査機関)が確認する情報の内容

 

地歴調査において調査実施者は、対象地に関する多くの情報を確認しなければなりません。

その殆どが、直接的、又は間接的に土壌汚染問題等に関する情報です。

 

地歴調査において調査実施者が確認する主な情報は以下の通りです。

 

地歴調査において調査実施者が確認する情報の内容 その1 地歴調査において調査実施者が確認する情報の内容 その2 地歴調査において調査実施者が確認する情報の内容 その3

 

 

改めて概要を整理すると以下の情報が必要となります。

 

🔷 土壌汚染状況調査の対象地の範囲を確定するための情報

 

🔷 土地の用途及び地表の高さの変更、地質に関する情報

1) 土地の用途に関する情報

2) 地表の高さの変更、地質に関する情報

3) 盛土・搬入土に関する情報

 

🔷 人為等由来の汚染のおそれに関する情報

1) 土壌の特定有害物質による汚染状態に関する情報

 

2) 特定有害物質又は特定有害物質を含む固体・液体の埋設等(埋設・飛散・流出・地浸透)に関する情報

 

3) 特定有害物質の使用等(製造・使用・処理)に関する情報

 

4) 特定有害物質又は特定有害物質を含む固体・液体の貯蔵等(貯蔵・保管)に関する情報

 

5) 土壌汚染状況調査の対象地および周辺の土地における井戸データ

 

6) 地質情報

 

🔷 自然由来の汚染のおそれに関する情報

 

 

情報量は対象地の歴史や操業内容によって左右されますが、キーポイントとなる情報の入手に大きな変更はありません。

効率よく情報を収集する必要あるということです。

 

 

 

土壌汚染対策法 第3条第1項調査における地歴調査チェックリストの構成

 

物事の整理や進捗状況を確認するのにチェックリストは有効です。

例外なく、土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン 改訂第3版 でも地歴調査チェックリストの作成が有効です。

 

土壌汚染対策法 第3条第1項調査における地歴調査チェックリストの構成は以下の通りです。

 

土壌汚染対策法 第3条第1項調査における地歴調査チェックリストの構成

 

 

 

土壌汚染対策法 第3条第1項調査における地歴調査チェックリストの構成に関して、以下の点を注意する必要があります。

 

🔶 様式A-1、様式A-2及び様式A-5は立地履歴が認められた工場又は事業場ごとに作成する。

 

🔶 様式A-1は、複数の施設が立地する場合においては、本様式を施設ごとに作成する。

 

🔶 必要に応じて、様式A-2には記録簿等の資料、様式A-3には写真集等の資料を添付する。

 

🔶 様式A-4は、調査対象地において過去に行われた調査において土壌溶出量基準不適合又は土壌含有量基準不適合が認められている場合に作成する。また、様式A-7は土壌汚染状況調査の対象地が公有水面埋立地である場合に作成する。

 

🔶 様式Cは試料採取等対象物質ごとに作成する。なお、立地履歴が認められた工場又は事業場ごとに作成することもできる。

 

🔶 様式Dは、自然由来特調査にて試料採取等を行う自然由来による汚染のおそれが認められる場合又は水面埋立て土砂由来による汚染のおそれが認められる場合のみ作成する。

 

 

 

提出する地歴調査チェックリストの内訳

 

土壌汚染対策法 施行規則 第3 条第3項の通知の申請又は土壌汚染状況調査結果の報告の際に、様式A~Dの前に以下の内訳を添付して地歴調査チェックリストとして提出する必要があります。

 

提出の欄は、提出する様式に「○」を、提出しない様式に「×」を記入します。

 

提出する地歴調査チェックリストの内訳

 

 

 

土壌汚染対策法 第3条第1項調査における地歴調査チェックリストの作成に関して、以下の点を注意する必要があります。

 

🔶 様式A-1、様式A-2及び様式A-5は立地履歴が認められた工場又は事業場ごとに作成する。

 

🔶 様式A-1は、複数の施設が立地する場合においては、本様式を施設ごとに作成する。

 

🔶 必要に応じて、様式A-2には記録簿等の資料、様式A-3には写真集等の資料を添付する。

 

🔶 様式A-4は、調査対象地において過去に行われた調査において土壌溶出量基準不適合又は土壌含有量基準不適合が認められている場合に作成する。また、様式A-7は土壌汚染状況調査の対象地が公有水面埋立地である場合に作成する。

 

🔶 様式Cは試料採取等対象物質ごとに作成する。なお、立地履歴が認められた工場又は事業場ごとに作成することもできる。

 

🔶 様式Dは、自然由来特調査にて試料採取等を行う自然由来による汚染のおそれが認められる場合又は水面埋立て土砂由来による汚染のおそれが認められる場合のみ作成する。

 

 

 

【様式 A-1】資料調査

 

様式A-1の作成からが本格的な情報の整理になります。

 

様式A-1は、立地履歴が認められた工場又は事業場ごとに作成する必要があり、立地履歴が認められた工場又は事業場に起因する土壌汚染以外の土壌汚染のおそれについて資料調査を実施した場合は、立地履歴が認められた工場又は事業場とは別に様式を作成する必要があります。

また、入手した資料のリスト(様式A-1別紙)も作成します。

 

調査において資料を入手できなかった場合等は、「土地の所有者等が該当する資料を所有していない」等の理由を記載する必要があります。

また、該当資料が存在しないこと以外に入手できない理由があれば、その理由を記載する必要があります。

 

原則として土地の所有者等が所有する公的届出資料について調査しますが、調査実施者が何らかの理由により地方公共団体から公的届出資料を入手している場合には、調査の対象に含める必要があります。

 

 

 

【様式A-1】資料調査で確認すべき主な資料は以下のとおりです。

 

(1) 私的資料に関する資料調査

 

1) 土壌汚染状況調査の対象地の範囲を確定するための私的資料

 

2) 土地の用途及び地表の高さの変更、地質に関する私的資料

①土地の用途に関する私的資料の収集

②地表の高さの変更に関する私的資料の収集

③地質に関する私的資料の収集

→ 土壌汚染状況調査の対象地の公有水面埋立地への該当性に関する私的資料も入手し、内容を確認することが重要です。

 

3) 特定有害物質による汚染のおそれに関する私的資料

①土壌の特定有害物質による汚染状態に関する資料の収集

②特定有害物質又は特定有害物質を含む固体・液体の埋設等に関する私的資料の収集

③特定有害物質の使用等に関する私的資料の収集

→ 特定有害物質に係る地中配管・地下構造物の存在を表す私的資料も入手し、内容を確認することが重要です。

 

④特定有害物質又は特定有害物質を含む固体・液体の貯蔵等に関する私的資料の収集

 

⑤その他の私的資料の収集

– 土壌汚染状況調査の対象地の近傍における自然由来の汚染に関する私的資料

– 土壌汚染状況調査の対象地の盛土部分に用いられた盛土材料の自然由来の汚染に関する私的資料

– 土壌汚染状況調査の対象地が公有水面埋立地に立地する場合のみ同一の水面埋立て用材料で造成された土地における土壌の汚染に関する私的資料

– その他特定有害物質による土壌汚染のおそれを推定するために有効な私的資料

 

上述の資料も入手し、内容を確認することが重要です。

 

(2) 公的届出資料に関する資料調査

1) 土壌汚染状況調査の対象地の範囲を確定するための公的届出資料

 

2) 土地の用途及び地表の高さの変更、地質に関する公的届出資料

①土地の用途に関する公的届出資料の収集

②地表の高さの変更に関する公的届出資料の収集

③地質に関する公的届出資料の収集

→ 土壌汚染状況調査の対象地の公有水面埋立地への該当性に関する公的資料も入手し、内容を確認することが重要です。

 

3) 特定有害物質による汚染のおそれに関する公的届出資料

①土壌の特定有害物質による汚染状態に関する公的届出資料の収集

②特定有害物質又は特定有害物質を含む固体・液体の埋設等に関する公的届出資料の収集

③特定有害物質の使用等に関する公的届出資料の収集

→ 特定有害物質に係る地中配管・地下構造物の存在を表す公的届出資料も入手し、内容を確認することが重要です。

 

④特定有害物質又は特定有害物質を含む固体・液体の貯蔵等に関する公的届出資料の収集

 

⑤その他の公的届出資料の収集

– 土壌汚染状況調査の対象地の近傍における自然由来の汚染に関する公的届出資料

– 土壌汚染状況調査の対象地の盛土部分に用いられた盛土材料の自然由来の汚染に関する公的届出資料

– 土壌汚染状況調査の対象地が公有水面埋立地に立地する場合のみ同一の水面埋立て用材料で造成された土地における土壌の汚染に関する公的届出資料

– その他特定有害物質による土壌汚染のおそれを推定するために有効な公的届出資料

 

上述の資料も入手し、内容を確認することが重要です。

 

(3) 一般公表資料に関する資料調査

 

1) 土壌汚染状況調査の対象地の範囲を確定するための一般公表資料

 

2) 土地の用途及び地表の高さの変更、地質に関する一般公表資料の収集

①土地の用途に関する一般公表資料の収集

②地表の高さの変更に関する一般公表資料の収集

③地質に関する一般公表資料の収集

→ 土壌汚染状況調査の対象地の公有水面埋立地への該当性に関する一般公表資料も入手し、内容を確認することが重要です。

 

3) 特定有害物質による汚染のおそれに関する一般公表資料

①土壌の特定有害物質による汚染状態に関する一般公表資料の収集

②特定有害物質又は特定有害物質を含む固体・液体の埋設等に関する一般公表資料の収集

③特定有害物質の使用等に関する一般公表資料の収集

④特定有害物質又は特定有害物質を含む固体・液体の貯蔵等に関する一般公表資料の収集

→ 特定有害物質の使用等に関する一般公表資料の収集特定有害物質に係る地中配管・地下構造物の存在を表す一般公表資料も入手し、内容を確認することが重要です。

 

⑤その他の一般公表資料の収集

– 土壌汚染状況調査の対象地の近傍における自然由来の汚染に関する一般公表資料

– 土壌汚染状況調査の対象地の盛土部分に用いられた盛土材料の自然由来の汚染に関する一般公表資料

– 土壌汚染状況調査の対象地が公有水面埋立地に立地する場合のみ同一の水面埋立て用材料で造成された土地における土壌の汚染に関する一般公表資料

– その他特定有害物質による土壌汚染のおそれを推定するために有効な一般公表資料

 

上述の資料も入手し、内容を確認することが重要です。

 

 

入手した資料は、調査実施者が私的資料公的届出資料一般公表資料と区別し、入手資料リストを作成する必要があります。

 

 

 

【様式 A-2】聴取調査

 

聴取調査の記録(様式 A-2)も地歴調査では大変重要です。

 

様式A-2は、立地履歴が認められた工場又は事業場ごとに作成する必要があり、立地履歴が認められた工場又は事業場に起因する土壌汚染以外の土壌汚染のおそれについて資料調査を実施した場合は、立地履歴が認められた工場又は事業場とは別に様式を作成する必要があります。

必要に応じて記録簿等の資料を添付して行政へ提出することになります。

 

過去の土地の所有者等、立地履歴が認められた工場又は事業場の従業員等、聴取調査の対象者の立場や経緯を記録として記載することが重要であり、立地履歴が認められた工場又は事業場が既に閉鎖されている等、聴取調査を実施することができなかった場合は、合理的な理由を記載する必要があります。

 

また、必要な情報について聴取調査で把握できなかった場合、その理由を記載する必要があります。

理由の例として、「聴取りを実施したが、情報について対象者が把握していない」等が考えられます。

 

 

聴取調査では以下の情報を相手から入手し、記録に残しておくことが重要です。

 

(1) 聴取調査を実施した日時、実施場所、聴取調査の実施者の氏名、聴取調査の対象者の氏名

 

1) 土地の用途及び地表の高さの変更、地質に関する情報の聴取り

①土地の用途に関する情報の聴取り

②地表の高さの変更に関する情報の聴取り

③地質に関する情報の聴取り

→ 土壌汚染状況調査の対象地の公有水面埋立地への該当性に関する情報の把握も重要です。

 

2) 特定有害物質による汚染のおそれに関する情報の聴取り

①土壌の特定有害物質による汚染状態に関する情報の聴取り

②特定有害物質又は特定有害物質を含む固体・液体の埋設等に関する情報の聴取り

③特定有害物質の使用等に関する情報の聴取り

→ 特定有害物質に係る地中配管・地下構造物の存在を表す情報の把握も重要です。

 

④特定有害物質又は特定有害物質を含む固体・液体の貯蔵等に関する情報の聴取り

 

⑤その他の情報の聴取り

– 土壌汚染状況調査の対象地の近傍における自然由来の汚染に関する情報

– 土壌汚染状況調査の対象地の盛土部分に用いられた盛土材料の自然由来の汚染に関する情報

– 土壌汚染状況調査の対象地が公有水面埋立地に立地する場合のみ同一の水面埋立て用材料で造成された土地における土壌の汚染に関する情報

– その他特定有害物質による土壌汚染のおそれを推定するために有効な情報

 

上述の資料も入手し、内容を確認することが重要です。

 

 

 

【様式 A-3】現地調査

 

資料調査、聴取調査とこれば、現地調査の記録です。

 

複数の施設が立地する場合においては、様式を施設ごとに作成する必要があり、必要に応じて写真集等の資料を行政へ提出する必要があります。

現地調査において、必要な情報が把握できなかった場合、その理由を記録しておくことが重要です。

 

 

現地調査では以下の情報を現地視察等から入手し、記録に残しておくことが重要です。

 

(1) 現地調査を実施した日時、現地調査の実施者の氏名、現地調査の案内者の氏名

 

1) 土壌汚染状況調査の対象地の範囲を確定するための情報

 

2) 土地の用途及び地表の高さの変更、地質に関する情報

①土地の用途に関する情報の調査

②地表の高さの変更に関する情報の調査

③地質に関する情報の調査

 

3) 特定有害物質による汚染のおそれに関する情報

①土壌の特定有害物質による汚染状態に関する情報の調査

②特定有害物質又は特定有害物質を含む固体・液体の埋設等に関する情報の調査

③特定有害物質の使用等に関する情報の調査

→ 特定有害物質に係る地中配管・地下構造物の存在を表す情報の把握も重要です。

 

④特定有害物質又は特定有害物質を含む固体・液体の貯蔵等に関する情報の調査

 

⑤その他の情報の調査

– 土壌汚染状況調査の対象地の近傍における自然由来の汚染に関する情報

– 土壌汚染状況調査の対象地の盛土部分に用いられた盛土材料の自然由来の汚染に関する情報

– 土壌汚染状況調査の対象地が公有水面埋立地に立地する場合のみ同一の水面埋立て用材料で造成された土地における土壌の汚染に関する情報

– その他特定有害物質による土壌汚染のおそれを推定するために有効な情報

 

上述の資料も入手し、内容を確認することが重要です。

 

 

 

【様式 A-4】過去に行われた調査で基準不適合が認められている場合のチェック項目

 

様式A-4は、地歴調査における情報の入手・把握の中で、調査対象地において過去に行われた調査において、土壌溶出量基準又は土壌含有量基準の不適合が認められていることが認められた場合にチェックリストを作成することが必要となります。

過去に行われた調査で基準不適合が認められた特定有害物質の種類ごとに作成する必要があります。

 

 

過去に行われた調査で基準不適合が認められている場合、以下の検討及び確認が必要です。

 

(1) 人為的原因による土壌汚染のおそれの検討

→ 土壌溶出量基準又は土壌含有量基準への不適合が認められた特定有害物質の種類について、埋設等、使用等又は貯蔵等の履歴の有無を確認、土壌溶出量基準又は土壌含有量基準への不適合が認められた場所と、特定有害物質の埋設等、使用等又は貯蔵等の履歴がある場所との間の相関性について確認することが重要です。

(2) 土壌溶出量基準又は土壌含有量基準への不適合が認められた土壌は盛土部分であるかどうか確認

(3) 自然由来による土壌汚染のおそれの検討

– 土壌溶出量基準又は土壌含有量基準の不適合が認められている特定有害物質の種類が第二種特定有害物質(シアン化合物を除く)であるか確認

– 土壌溶出量及び土壌含有量の値が概ね自然由来の土壌汚染とみなせる範囲であるかどうか確認

– 土壌溶出量基準又は土壌含有量基準の不適合が認められている土壌を含む地層における平面的又は深度的な基準不適合土壌の分布状況を確認

– 自然由来の基準不適合が認められた地層の土壌を調査対象地の盛土に用いているかどうかを確認

– 自然由来の基準不適合が認められた地層の土壌を調査対象地の盛土に用いている場合のみ土壌汚染状況調査の対象地において自然由来の基準不適合が認められた地層の土壌を盛土に用いた範囲や深さを確認

(4) 水面埋立て土砂由来による土壌汚染のおそれの検討

– 調査対象地が公有水面埋立地に立地するかどうか確認

– 土壌汚染状況調査の対象地が公有水面埋立地に立地する場合のみ土壌溶出量基準又は土壌含有量基準の不適合が認められている土壌を含む水面埋立て用材料について平面的又は深度的な基準不適合土壌の分布状況を確認

(5) 盛土部分の土壌の汚染原因が自然由来であるかの検討

– 土壌溶出量及び土壌含有量の値が概ね自然由来の土壌汚染とみなせる範囲であるかどうか確認

– 土壌溶出量基準又は土壌含有量基準の不適合が認められている土壌を含む盛土における平面的又は深度的な基準不適合土壌の分布状況を確認

– 土壌溶出量基準又は土壌含有量基準への不適合が認められた土壌を含む盛土の盛土材料の掘削場所又はその周辺における採取された地層を確認

– 土壌溶出量基準又は土壌含有量基準への不適合が認められた土壌を含む盛土の盛土材料の掘削場所における人為的原因による土壌汚染のおそれを確認

– 盛土材料が採取された地層と同質な状態で繋がっている土壌を含む自然地層が土壌汚染状況調査の対象地において分布する深さを確認

– 土壌溶出量基準又は土壌含有量基準への不適合が認められた土壌を含む盛土の工事又は再移動が完了した時期を確認

– 土壌汚染状況調査の対象地において盛土材料が盛土に用いられている範囲や深さを確認

 

 

過去に行われた調査で基準不適合が認められた特定有害物質の種類等の確認作業は、多くの時間を費やす可能性がありますが、過去からの情報は未来に活かせる有効的な情報が多いです。

したがって、調査を実施する「今」、丁寧に情報を精査する必要があります。

 

 

 

【様式 A-5】土壌汚染状況調査の対象地において人為等由来による土壌汚染のおそれがある特定有害物質の種類

 

様式A-5では、地歴調査の主な目的である調査によって洗い出された人為等由来による特定有害物質の種類の記録を行います。

様式A-5は、立地履歴が認められた工場又は事業場ごとに作成する必要があります。

水面埋立て土砂由来による土壌汚染のおそれがある特定有害物質の種類については様式A-6に記載することになります。

調査対象地において土壌汚染のおそれがある特定有害物質の種類を整理する際は、以下の図を参照下さい。

 

調査対象地において土壌汚染のおそれがある特定有害物質の種類

 

選定の欄には、調査対象地において土壌溶出量基準又は土壌含有量基準に適合していないおそれのある特定有害物質の種類に「○」を記入する必要があります。

 

理由の欄の記入方法は、以下のとおりです。

 

①:調査対象地において土壌溶出量基準又は土壌含有量基準に適合しないことが明らかであり、その理由が

①-1:自然由来の汚染によるもの(自然地層)と考えられる

①-2:自然由来の汚染によるもの(盛土)と考えられる

①-3:水面埋立て用材料由来の汚染によるものと考えられる

①-4:上記三つによるものと考えられないもの

 

②:固体若しくは液体として、調査対象地に

②-1:埋設された履歴が認められた

②-2:飛散した履歴が認められた

②-3:流出した履歴が認められた

②-4:地下浸透した履歴が認められた

 

※上記の②-1~②-4に関して、「埋設」、「飛散」、「流出」又は「地下浸透」を明確に区 分できない場合については「②」とします。

 

③:調査対象地の施設において

③-1:製造履歴がある

③-2:使用履歴がある

③-3:処理履歴がある

 

※上記の③-1~③-3に関して、「製造」、「使用」又は「処理」を明確に区分できない場合については「③」とします。

 

④:固体若しくは液体を施設において貯蔵・保管されていた(ただし、環境大臣が定める特定有害物質を含む液体の地下への浸透の防止のための措置が講じられている施設において貯蔵・保管されていたものを除く)

 

⑤:②~④と同等程度に土壌汚染のおそれがあると認められ、その理由が

⑤-1:自然由来の汚染により基準不適合が認められた自然地層がある地点の近傍に位置する

⑤-2:調査対象地の盛土に用いられた盛土材料の掘削場所又は採取された地層において自然由来の汚染による基準不適合が認められている

⑤-3:自然由来の汚染により基準不適合である盛土を掘削した自然地層が調査対象地内にある

⑤-4:同一の水面埋立て用材料で造成された土地において基準不適合が認められた

⑤-5:その他

 

※上記の⑤-5については、土壌汚染のおそれがあると認められた理由を簡潔に記載する必要があります。

 

 

 

なお、第一種特定有害物質について①~⑤の土壌汚染のおそれがある場合、分解生成物についても「分解生成物(②-1)」のように記入します。

 

例:トリクロロエチレンの貯蔵・保管が認められた場合、分解生成物である 1,2-ジクロロエチレンについて「分解生成物(④)」と記入します。

 

分解生成物については、以下の記事を参照下さい。

 

 

土壌汚染対策法の特定有害物質のまとめ【環境省 公表の平成31年度 改正土壌汚染対策法含む】
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土壌汚染対策法の特定有害物質のまとめ【環境省 公表の平成31年度 改正土壌汚染対策法含む】

 

 

 

 

【様式 A-6】土壌汚染状況調査の対象地において自然由来又は水面埋立て土砂由来による土壌汚染のおそれがある特定有害物質の種類

 

様式A-6では、土壌汚染状況調査の対象地において自然由来又は水面埋立て土砂由来の土壌汚染のおそれがある特定有害物質の種類を整理します。

以下の図を参照下さい。

 

土壌汚染状況調査の対象地において自然由来又は水面埋立て土砂由来の土壌汚染のおそれがある特定有害物質の種類

 

 

選定の欄には、調査対象地において土壌溶出量基準又は土壌含有量基準に適合していないおそれのある特定有害物質の種類に「○」を記入する必要があります。

 

理由の欄の記入方法は、以下のとおりです。

 

①:調査対象地において土壌溶出量基準又は土壌含有量基準に適合しないことが明らかであり、その理由が

①-1:自然由来の汚染によるもの(自然地層)と考えられる

①-2:自然由来の汚染によるもの(盛土)と考えられる

①-3:水面埋立て用材料由来の汚染によるものと考えられる

①-4:上記三つによるものと考えられないもの

 

②:固体若しくは液体として、調査対象地に

②-1:埋設された履歴が認められた

②-2:飛散した履歴が認められた

②-3:流出した履歴が認められた

②-4:地下浸透した履歴が認められた

 

※上記の②-1~②-4に関して、「埋設」、「飛散」、「流出」又は「地下浸透」を明確に区 分できない場合については「②」とします。

 

③:調査対象地の施設において

③-1:製造履歴がある

③-2:使用履歴がある

③-3:処理履歴がある

 

※上記の③-1~③-3に関して、「製造」、「使用」又は「処理」を明確に区分できない場合については「③」とします。

 

④:固体若しくは液体を施設において貯蔵・保管されていた(ただし、環境大臣が定める特定有害物質を含む液体の地下への浸透の防止のための措置が講じられている施設において貯蔵・保管されていたものを除く)

 

⑤:②~④と同等程度に土壌汚染のおそれがあると認められ、その理由が

⑤-1:自然由来の汚染により基準不適合が認められた自然地層がある地点の近傍に位置する

⑤-2:調査対象地の盛土に用いられた盛土材料の掘削場所又は採取された地層において自然由来の汚染による基準不適合が認められている

⑤-3:自然由来の汚染により基準不適合である盛土を掘削した自然地層が調査対象地内にある

⑤-4:同一の水面埋立て用材料で造成された土地において基準不適合が認められた

⑤-5:その他

 

※上記の⑤-5については、土壌汚染のおそれがあると認められた理由を簡潔に記載する必要があります。

 

 

 

なお、第一種特定有害物質について①~⑤の土壌汚染のおそれがある場合、分解生成物についても「分解生成物(②-1)」のように記入します。

 

例:トリクロロエチレンの貯蔵・保管が認められた場合、分解生成物である 1,2-ジクロロエチレンについて「分解生成物(④)」と記入します。

 

分解生成物については、以下の記事を参照下さい。

 

 

土壌汚染対策法の特定有害物質のまとめ【環境省 公表の平成31年度 改正土壌汚染対策法含む】
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【様式 A-7】土壌汚染状況調査の対象地が公有水面埋立地に立地する場合のチェック項目

 

様式A-7は、土壌汚染状況調査の対象地が公有水面埋立地である場合に作成する必要があります。

 

土壌汚染状況調査の対象地が公有水面埋立地に立地する場合のチェック項目は以下に示すとおりです。

 

(1) 公有水面埋立法の埋立地であることの確認

 

土壌汚染状況調査の対象地が公有水面埋立法の埋立地であることの根拠として、公有水面埋立法の届出書類、土地の登記事項証明書等を確認することが重要です。

 

(2) 公有水面埋立法の埋立地の造成が開始された時期の確認

 

土壌汚染状況調査の対象地を含む埋立地の造成が開始された時期が昭和52年3月14日以前昭和52 年3月15日以降を確認することが重要です。

また、土壌汚染状況調査の対象地を含む埋立地の造成が開始された時期の根拠として、公有水面埋立法の届出書類空中写真等を確認することが重要です。

 

(3) 廃棄物処理法の廃棄物が埋め立てられている場所でないことの確認

 

廃棄物処理法の水面埋立地でないことを確認廃棄物処理法の指定区域でないことを確認廃棄物処理法の廃棄物が埋め立てられていない土地であることを地方団体への聴取りによって確認することが重要です。

 

(4) 都市計画法第8条第1項第1号に規定する工業専用地域であることの確認

 

 

 

【様式B】試料採取等対象物質の種類の特定

 

試料採取等対象物質の種類の特定では以下の内容を確認する必要があります。

 

 

1.土壌汚染対策法 施行規則 第3条第3項の都道府県知事からの通知

 

土壌汚染対策法 施行規則 第3条第3項は以下に記載する通りです。

 

都道府県知事は、調査実施者が土壌汚染対策法 第3条第1項又は第8項に基づき土壌汚染状況調査を行う場合において、土壌汚染状況調査の対象地において土壌の汚染状態が土壌溶出量基準又は土壌含有量基準に適合していないおそれがある特定有害物質の種類があると認めるときは、当該調査実施者の申請に基づき、当該申請を受けた日から起算して30日以内に、当該特定有害物質の種類を当該調査実施者に通知するものとする

 

 

 

以下の確認が重要です。

 

🔶 土壌汚染対策法 施行規則 第3条第3項の通知を都道府県知事に申請したかの確認

 

🔶 都道府県知事より、調査実施者が地歴調査において把握していなかった特定有害物質の種類について、調査対象地において土壌溶出量基準又は土壌含有量基準に適合していないおそれがあると通知されたかの確認

 

 

上記の内容に関して確認を行い、回答が「はい」の場合、情報の入手・把握において収集した情報の内容の見直し及び追加調査を実施することが必要となります。

また、収集した情報の内容の見直し及び追加調査に関して、再度、様式A-1~様式A-4を作成し、行政へ提出する必要があります。

 

 

あまり、調査時のスケジュールで考慮さることがありませんが、この【当該調査実施者の申請に基づき、当該申請を受けた日から起算して30日以内に、当該特定有害物質の種類を当該調査実施者に通知するものとする】の30日間は全体スケジュールとしては重要です。

 

 

 

2.試料採取等対象物質の選定

 

最終的に特定した試料採取等対象物質を整理するステップです。

以下の図を参照下さい。

 

特定した試料採取等対象物質

 

 

試料採取等対象物質の欄には、試料採取等対象物質とした特定有害物質の種類に「●」を記入する必要があります。

選定の欄には、調査対象地において土壌溶出量基準又は土壌含有量基準に適合していないおそれのある特定有害物質の種類に「○」を記入する必要があります。

 

理由の欄の記入方法は、以下のとおりです。

 

①:調査対象地において土壌溶出量基準又は土壌含有量基準に適合しないことが明らかであり、その理由が

①-1:自然由来の汚染によるもの(自然地層)と考えられる

①-2:自然由来の汚染によるもの(盛土)と考えられる

①-3:水面埋立て用材料由来の汚染によるものと考えられる

①-4:上記三つによるものと考えられないもの

 

②:固体若しくは液体として、調査対象地に

②-1:埋設された履歴が認められた

②-2:飛散した履歴が認められた

②-3:流出した履歴が認められた

②-4:地下浸透した履歴が認められた

 

※上記の②-1~②-4に関して、「埋設」、「飛散」、「流出」又は「地下浸透」を明確に区 分できない場合については「②」とします。

 

③:調査対象地の施設において

③-1:製造履歴がある

③-2:使用履歴がある

③-3:処理履歴がある

 

※上記の③-1~③-3に関して、「製造」、「使用」又は「処理」を明確に区分できない場合については「③」とします。

 

④:固体若しくは液体を施設において貯蔵・保管されていた(ただし、環境大臣が定める特定有害物質を含む液体の地下への浸透の防止のための措置が講じられている施設において貯蔵・保管されていたものを除く)

 

⑤:②~④と同等程度に土壌汚染のおそれがあると認められ、その理由が

⑤-1:自然由来の汚染により基準不適合が認められた自然地層がある地点の近傍に位置する

⑤-2:調査対象地の盛土に用いられた盛土材料の掘削場所又は採取された地層において自然由来の汚染による基準不適合が認められている

⑤-3:自然由来の汚染により基準不適合である盛土を掘削した自然地層が調査対象地内にある

⑤-4:同一の水面埋立て用材料で造成された土地において基準不適合が認められた

⑤-5:その他

 

※上記の⑤-5については、土壌汚染のおそれがあると認められた理由を簡潔に記載する必要があります。

 

 

 

なお、第一種特定有害物質について①~⑤の土壌汚染のおそれがある場合、分解生成物についても「分解生成物(②-1)」のように記入します。

 

例:トリクロロエチレンの貯蔵・保管が認められた場合、分解生成物である 1,2-ジクロロエチレンについて「分解生成物(④)」と記入します。

 

分解生成物については、以下の記事を参照下さい。

 

 

土壌汚染対策法の特定有害物質のまとめ【環境省 公表の平成31年度 改正土壌汚染対策法含む】
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【様式C】人為等に由来する汚染のおそれがある土地における土壌汚染のおそれの区分の分類

 

人為等に由来する汚染のおそれがある土地における土壌汚染のおそれの区分の分類では以下の内容を確認する必要があります。

複数存在する場合は、複数記入する必要があり、土壌汚染のおそれの区分の分類を示した図面を添付するか、図面が土壌汚染状況調査の結果の報告書に含まれる場合は、その旨を記載する必要があります。

 

 

①土壌汚染のおそれの区分の分類に過去から現在までの施設配置を反映しているかの確認

土壌汚染状況調査の対象地に複数の工場又は事業場の立地履歴が認められる場合、立地履歴が認められた工場又は事業場ごとに土壌汚染のおそれの区分の分類を実施しているかを確認することが重要です。

 

②下記の基準不適合土壌が存在するおそれが比較的多いと認められる土地に関する基準を踏まえ、基準不適合土壌が存在するおそれが比較的多いと認められる土地、少ないと認められる土地、ないと認められる土地の区分の分類を行ったかの確認

 

 

【②を判断する上で確認すべき事項】

 

・ 土壌溶出量基準又は土壌含有量基準に適合しないことが明らかな土地を含んでいる

 

・ 現在又は過去に特定有害物質又は特定有害物質を含む固体・液体を埋設・飛散・流出・地下浸透した土地を含んでいる

 

・ 現在又は過去に特定有害物質を製造・使用・処理する施設の敷地であった土地を含んでいる

 

・ 現在又は過去に特定有害物質又は特定有害物質を含む固体・液体を貯蔵・保管する施設の敷地(環境大臣が定める地下浸透防止措置が講じられている施設を除く)であった土地を含んでいる

 

・ その他、土壌溶出量基準又は土壌含有量基準に適合しないおそれがある土地を含んでいる

 

・ 自然由来で汚染された地層の土壌を盛土材料に用いたことによって盛土部分の土壌が土壌溶出量基準又は土壌含有量基準に適合しないおそれがある土地のうち、当該土壌を掘削した地層と同質な状態でつながっている地層が深さ10m以浅に分布していない(分布していない又は深さ10mより深部に分布している)土地の範囲、及び当該盛土が調査対象地からの距離が 900m 以上にある土地から掘削した土壌であることもしくは、当該土壌の掘削を行った土地が、盛土または埋め戻しに使用した土壌の掘削を行った土地の汚染状態(土壌溶出量基準または土壌含有量基準への適合性をいう)である場合において、土壌汚染状況調査の方法に準じた方法により調査した結果その他の情報により確認されていること(公有水面埋立法による公有水面の埋立て又は干拓の事業により造成された土地は除く。)を含んでいる

 

・ 自然由来汚染調査及び水面埋立て土砂由来調査の対象となる土地を含んでいない

 

 

 

【様式D】自然由来又は水面埋立て土砂由来の汚染のおそれが認められる土地の範囲

 

様式Dは、自然由来汚染調査による試料採取等の対象となる自然由来の汚染のおそれが認められた場合、又は水面埋め立て土砂由来調査による試料採取等の対象となる水面埋立て土砂由来の汚染のおそれが認められた場合に、当該土壌汚染のおそれが認められた特定有害物質の種類ごとに作成する必要があります。

 

自然由来又は水面埋立て土砂由来の汚染のおそれが認められる土地の範囲では、以下の内容を確認することが重要です。

 

(1) 土壌汚染状況調査の対象地において認められた土壌汚染のおそれ

 

(2) 自然由来汚染調査による試料採取等の対象となる自然由来の汚染のおそれが認められる土地の範囲

 

①自然地層における自然由来の汚染のおそれがある土地の範囲

土壌汚染状況調査の対象地において自然地層における自然由来の汚染のおそれが認められる土地の範囲について確認することも重要です。

 

②専ら自然由来で汚染された地層の土壌を盛土材料に用いたことによる盛土部分の土壌汚染のおそれがある土地の範囲

 

(3) 水面埋立て土砂由来の汚染のおそれが認められる土地の範囲

土壌汚染状況調査の対象地において水面埋立て土砂由来の汚染のおそれが認められる土地の範囲について確認することが重要です。

 

 

 

最後に…

 

今回は、Appendix No.18地歴チェックリスト:土壌汚染対策法 第3条第1項 調査について、私なりに整理してみました。

 

学ぶべきことが沢山あったと実感しています。

 

【様式B】試料採取等対象物質の種類の特定の【当該調査実施者の申請に基づき、当該申請を受けた日から起算して30日以内に、当該特定有害物質の種類を当該調査実施者に通知するものとする】の30日間って全体スケジュールとしては重要ですよね。

この30日間は行政の担当者によって、日数は異なると思いますが、対象地の操業内容が複雑であれば、最大30日間を計算に入れて、土壌汚染調査のスケジュールを組む必要があります。

 

 

 

さて、私は小説を寝る前に本としてゆっくり読みたいタイプの人間ですが、勉強で読む本や参考書はスマートフォンやタブレットで通勤中にAmazon Kindleで読み込むタイプです。

以下の本を何回も参考書のように読んでいます。

 

 

 

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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