平成31年 改正土壌汚染対策法

測定方法に係る補足事項(Appendix-17)の解読

土壌汚染対策法のガイドライン改訂第3版の測定方法に係る補足事項

 

土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン 改訂第3版のAppendixは参考資料として付属されており、Appendix No.1からAppendix No.25まであります。

 

土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドラインの本文を読んで、土壌汚染問題に関する調査などの知識を得るということは必須であり、環境デューデリジェンスの知識や技術の向上にも必要なことです。

 

一方で私の経験上、土壌汚染問題や土壌汚染調査の本質的な事項は意外にも付属しているAppendixに多く記載されていると考えています。

つまり、土壌汚染問題を理解する為の基礎情報や補足情報が記載されているということです。

 

なぜ、土壌汚染問題に関する基礎情報や補足情報が環境デューデリジェンスに必要かということですが、環境デューデリジェンスの結果はM&A取引を行う企業間同士で共有されます。

そして、環境DDの結果に関して議論されるわけです。

 

議論の際に当然、環境面や土壌汚染問題の知識がない担当者の方や経営層がいる可能性はあります。

そのようなケースでは、基礎情報や補足情報を丁寧に説明するということが非常に効果的であり、重要なのです。あくまでも私の経験の話ですが…(笑)。

 

更に環境省の土壌汚染調査管理技術者試験でも、Appendixに記載されている内容が問題として出題されいます。

実際、土壌汚染調査管理技術者試験の問題を解いていると、結構の頻度でAppendixを参照しています。

 

そこで、環境デューデリジェンスの知識や技術の向上を考慮して、Appendixに記載されている内容を学んでみることにしました。

 

私は海外M&Aの環境デューデリジェンスを多数経験していますが、やはり国内の環境デューデリジェンスに適用されることが多い土壌汚染対策法のルールを知っておくことは重要だと考えています。

土壌汚染対策法では○○で、海外の法規制では○○ですという例え話は、とても説得力がありますし、理解しやすいですからね。

 

今回は、Appendix No.17の土壌汚染対策法のガイドライン改訂第3版の測定方法に係る補足事項についてです。

 

私なりの解釈や概要を整理していきます。

主に分析数値の取り扱いです。土壌汚染等の評価や報告書の作成にはとても重要な内容です。

 

 

 

土壌ガス調査に係る採取及び測定の方法(環境省告示第16号 平成15年3月6日:最終改正平成31年1月30日)についての補足

 

まず、土壌ガス調査の調査方法及び土壌ガスの定量下限値に関しては、以下の記事を参照下さい。

 

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土壌汚染対策法の土壌ガス調査に関する基準

 

 

土壌汚染対策法 土壌ガス調査に係る採取及び測定の方法(Appendix-5)の解読
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土壌ガス調査に係る採取及び測定の方法(Appendix-5)の解読

 

 

上記の記事を参照した上で、下記の補足事項等をご確認下さい。

 

 

公的検査機関及びガス二次標準を使用して濃度を確認した混合標準ガスについて 

 

 

公的検査機関とは、標準物質(標準ガス及び標準液)に係る指定校正機関として経済化産業大臣の指定を受けた(財)化学物質評価研究機構(CERI:Chemicals Evaluation and Research Institute, Japan)のことです。

ガス二次標準(特定二次標準)とは、計量法トレーサビリティ(JCSS:Japan Calibration Service System)制度において、この公的検査機関により供給される特定(国家)計量標準を使用して登録事業者が校正を行った標準ガスであり、このガス二次標準を使用して濃度を確認した混合標準ガスとは、標準ガスの登録事業者が発行する証明書(JCSS標章)が添付されたもののことです。

ただし、当該混合標準ガスが市販されていない場合には、当分の間、製造事業者が濃度を保証するガスとすることができます。

 

 

 

土壌ガス調査の測定についての補足 

 

濃度に係る調査等を計量証明事業者が行う必要があることについては、必要に応じ指定調査機関に対し教示することとなっています。

 

土壌ガス調査については、土壌汚染が存在するおそれが最も多い地点を決定するために現場において測定を行うことが多く、この場合は計量証明書の発行ができないことが想定されます。

したがって、必ずしも計量証明書の提出を求めず、クマトグラム等の提出を求めること等により、測定結果を確認することとなっています。

 

 

 

定量及び計算 についての補足 

 

定量は、土壌ガス調査に係る採取及び測定の方法(Appendix-5)の解読での記載の通り、ベンゼン以外の試料採取等対象物質について定量下限値 0.1 volppm、ベンゼンの定量下限値 0.05 volppmとして測定します。これらの濃度未満の場合は不検出とします。

 

土壌の汚染に係る環境基準の見直し及び土壌汚染対策法の特定有害物質の見直し等に伴う土壌汚染対策法の運用について」(平成31 年3月1日付け環水大土発第 1903016 号環境省水・大気環境局長通知)により、基準が複数物質の濃度の和で設定されている物質(具体的には 1,2-ジクロロエチレン及び1,3-ジクロロエチレン)の測定結果の取扱方法はシス体とトランス体、それぞれの濃度を併記する必要があります。

 

 

 

地下水に含まれる試料採取等対象物質の量の測定方法(環境省告示第 17平成15年3月6日:最終改正平成31年3月20日)についての補足

 

まず、地下水に含まれる試料採取等対象物質の量の測定方法に関しては、以下の記事を参照下さい。

 

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地下水に含まれる試料採取等対象物質の量の測定方法(Appendix-6)の解読

 

 

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地下水試料採取方法(Appendix-7)の解読

 

上記の記事を参照した上で、下記の補足事項等をご確認下さい。

 

 

 

定量下限値及び結果の取り扱いについて

 

地下水の水質分析では、定量下限値を地下水基準の 1/10を目安とします。

 

地下水基準が「検出さないこと」となっている4項目については、以下の通りです。

 

🔷 シアン化合物      :0.1 mg/L

 

🔷 総水銀            :0.0005 mg/L

 

🔷 アルキル水銀      :0.0005 mg/L、

 

🔷 ポリ塩化ビフェニル:0.0005 mg/L

 

🔷 有機りん化合物    :0.1 mg/L

 

 

土壌の汚染に係る環境基準の見直し及び土壌汚染対策法の特定有害物質の見直し等に伴う土壌汚染対策法の運用について」(平成31年3月1日付け環水大土発第 1903016 号環境省水・大気環境局長通知)により、基準値が複数物質の濃度の和で設定されている物質(具体的には 1,2-ジクロロエチレン及び1,3-ジクロロプロペン)の測定結果の取扱方法は以下の通りです。

 

🔶 シス体とトランス体が両方とも定量下限値以上の場合は、シス体とトランス体の測定値の和を測定値とし、報告値は有効数字を2桁として、3桁目以降を切り捨てて表示する。

 

🔶 シス体とトランス体のいずれか一方が定量下限値未満で、いずれか一方が定量下限値以上の場合は、定量下限値以上の方の測定値を測定値とし、報告値は有効数字を2桁として、3桁目以降を切り捨てて表示する。

 

🔶 シス体とトランス体が両方とも定量下限値未満の場合は、「定量下限値未満」と表示する。

 

 

 

土壌溶出量調査に係る測定方法(環境省告示第18 平成15 36日:最終改正平成31320日)についての補足

 

まず、土壌溶出量調査に係る測定方法に関しては、以下の記事を参照下さい。

 

土壌汚染対策法のガイドライン改訂第3版の土壌溶出量調査に係る測定方法
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土壌溶出量調査に係る測定方法(Appendix-9)の解読

 

上記の記事を参照した上で、下記の補足事項等をご確認下さい。

 

 

 

定量下限値及び結果の取り扱いについて 

 

土壌溶出量調査では、定量下限値は土壌溶出量基準の1/10を目安とします。

 

土壌溶出量基準が

検出さないこと」となっている4項目については、以下の通りです。

 

🔷 シアン化合物      :0.1 mg/L

 

🔷 総水銀            :0.0005 mg/L

 

🔷 アルキル水銀      :0.0005 mg/L、

 

🔷 ポリ塩化ビフェニル:0.0005 mg/L

 

🔷 有機りん化合物    :0.1 mg/L

 

 

土壌の汚染に係る環境基準の見直し及び土壌汚染対策法の特定有害物質の見直し等に伴う土壌汚染対策法の運用について」(平成31年3月1日付け環水大土発第 1903016 号環境省水・大気環境局長通知)により、基準値が複数物質の濃度の和で設定されている物質(具体的には 1,2-ジクロロエチレン及び1,3-ジクロロプロペン)の測定結果の取扱方法は以下の通りです。

 

🔶 シス体とトランス体が両方とも定量下限値以上の場合は、シス体とトランス体の測定値の和を測定値とし、報告値は有効数字を2桁として、3桁目以降を切り捨てて表示する。

 

🔶 シス体とトランス体のいずれか一方が定量下限値未満で、いずれか一方が定量下限値以上の場合は、定量下限値以上の方の測定値を測定値とし、報告値は有効数字を2桁として、3桁目以降を切り捨てて表示する。

 

🔶 シス体とトランス体が両方とも定量下限値未満の場合は、「定量下限値未満」と表示する。

 

 

 

土壌含有量調査に係る測定方法(環境省告示第19平成15 年3月6日:最終改正平成31年3月20日)についての補足

 

まず、土壌含有量調査に係る測定方法に関しては、以下の記事を参照下さい。

 

土壌含有量調査に係る測定方法を定める件
土壌含有量調査に係る測定方法(Appendix-10)の解読土壌汚染対策法のガイドライン改訂第3版の土壌含有量調査に係る測定方法 土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン ...

土壌含有量調査に係る測定方法(Appendix-10)の解読

 

 

上記の記事を参照した上で、下記の補足事項等をご確認下さい。

 

 

 

定量下限値の取り扱いについて 

 

土壌含有量調査では、定量下限値は土壌含有量基準の1/10を目安とします。

 

 

 

報告値の有効数字についての補足

 

土壌ガス調査に係る採取及び測定の方法における報告値は有効数字を2桁として3桁目以降を切り捨てて表示します。

ただし、ベンゼン以外の試料採取等対象物質については少数第二位以降の値ベンゼンについては、小数第三位以降の値を切り捨てて表示します。

 

また、定量下限値以降の桁についても切り捨てて表示します。

 

地下水に含まれる試料採取等対象物質の量の測定方法、土壌溶出量調査に係る測定方法及び土壌含有量調査に係る測定方法報告値は有効数字を2桁として3桁目以降を切り捨てて表示します。

 

また、定量下限値以降の桁についても切り捨てて表示します。

 

 

 

最後に…

 

今回は、Appendix No.17測定方法に係る補足事項について、私なりに整理してみました。

 

学ぶべきことが沢山あったと実感しています。

 

報告書又は分析結果の有効数字の考え方は、調査業務の基本の「き」です。

復習も兼ねて、再度確認しておきましょう。

私は殆ど、感覚的に有効数字を考えていたので、学びになりました。

 

 

 

さて、私は小説を寝る前に本としてゆっくり読みたいタイプの人間ですが、勉強で読む本や参考書はスマートフォンやタブレットで通勤中にAmazon Kindleで読み込むタイプです。

以下の本を何回も参考書のように読んでいます。

 

 

 

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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